研修内容
座学と実技の【体験価値】の創出がスキルアップとサービスの質向上につながる
介護現場でレクリエーションのイメージとして、「レク=集団ゲーム」「レク=集団で楽しまないといけない」「レク=プログラムの一環」を想像される方が多いのではないでしょうか。
本来、介護場面におけるレクリエーション(以下、ケアレク)とは、介護を必要とする人が一人の人間として、その人らしい楽しく充実した豊かな生活や人生を再創造(リ・クリエイト)するための基本的な考え方であり、単に集団ゲームやイベント行事、ぬり絵や脳トレの支援だけをしていればよいというものではありません。
その人一人ひとりの自発的・創造的な様々な余暇の活動であり、趣味活動やスポーツ、芸術、学習、テレビ鑑賞、昼寝などさまざまな活動を含みます。
私たちは、「食事」「入浴」「排泄」「移動」のためにだけに生きているのではありません。
上記のADL(日常生活動作)は生活をする上での目的を達成するための手段です。
私たちはその先の趣味活動や楽しみ活動のために生きています。
もちろん介護は生活を支援するサービスなのでADLの介助も大切です。
それ以上に私たち生活期を支える介護職の醍醐味は、目の前のご利用者の「楽しみ活動」や「生きがい」を支援・創造できることだと思います。
本研修では、介護場面における日常生活のさまざまな活動にレクの視点からアクセントをつけることで、介護現場で行っているプログラムがご利用者一人ひとりの生活に意味ある目的的な活動となる支援方法を実際に参加体験いただきます。
レク(楽しみ活動)を日常化すると共に、日常の様々な活動のレク化(楽しみ活動化)の創出を体験価値として持ち帰っていただくことで、スキルアップと翌日からの現場サービスの質向上につなげていただきます。
下記のようなお悩みを抱えている方はぜひご参加ください。
1日目タイムスケジュール※予定している講師・内容は変更になる場合がございます
[福岡] 8月23日(金)18:30~20:00 /[東京] 9月6日(金)18:30~20:00 /[大阪] 9月13日(金)18:30~20:00
もうレクに悩まない!振り回されない! ケアレクに必要な視点
講師:小川 真弘氏(株式会社QOLサービス 教育事業部/介護福祉士/介護支援専門員)
【内容】
介護もレクも「生活を豊かにする」という同じ目的を持った対人サービスであり、レク・アクティビティはケアの一部です。ただ単に楽しんでもらうだけではなく、ケアとしてのレク知識・技術を身につけることで、日常生活のさまざまな場面や活動にレクの視点で味付けをすることができるのではないでしょうか。本講座では日常生活動作を支援するだけでなく、より重要な活動である「人生の楽しみ活動」が創出でき、生きがいづくりやQOL向上の支援につながる発想の転換をさまざまな手段を使ってお伝えいたします。
・なぜ介護現場でレクを提供するのか
・マンネリが起こっているのは誰?
・表現のバリエーション
・全国各地のさまざまな活動
・強みを生かす
・今までに企画や運営で関わってきた過去の研修・セミナー・学会で得た知識を参加者の方に還元
・Q&A形式でたくさんの手段を持ち帰る ほか
VIDEO
2日目タイムスケジュール※各時間帯・各会場の講座に自由に参加いただけます ※予定している講師・内容は変更になる場合がございます
【A会場】分科会(1) [福岡] 8月24日(土)9:45~11:15 /[東京] 9月7日(土)9:45~11:15 /[大阪] 9月14日(土)9:45~11:15
要介護者向け 個別機能訓練につながる生活機能向上レク心身機能・活動・参加を向上させるプログラムを中心として
講師:寺井 達也氏(高齢期リハケア研究会 代表/作業療法士)
【内容】
ご利用者が日常生活を営み続けるためには、ご利用者の生活状況をきちんと把握し、日常生活における生活機能を高めるケアや活動が必要です。生活の一部であるレクや活動を通して残存機能を高め、日常生活行為の維持・向上、あるいは健康・幸福につながるアプローチ方法を学びます。
・ケア・レクの基礎
・作業療法士が提案する視点を変えたケア・レク~さぁ視点を変えよう!~
・生活リハビリから視るレクリエーションの位置づけ
・高齢者心理のとらえかたを学ぼう
・高齢者の意欲
・ケア、レクの目的は?
・マンパワーが少なくてもレクはできる
【B会場】分科会(2) [福岡] 8月24日(土)9:45~11:15 /[東京] 9月7日(土)9:45~11:15 /[大阪] 9月14日(土)9:45~11:15
フロアで人手が足りない時に 集団で効率的に取り組め効果を出せるレク・アクティビティ
[福岡・大阪]講師: 野田 和美氏(NPO法人日本介護福祉教育研修機構 認定講師/理学療法士)
[東京]講師: 浅野 有子氏(一般社団法人あっとほーむいなしき 代表理事/デイサービス太陽と鳩たち 機能訓練指導員/生活相談員)
【内容】
目の前のご利用者はどんなことに喜びを感じ、何をすることが好きで、何をしているときに幸せを感じている(いた)のでしょうか?「レクをしなきゃ」とレクをすることに目を向けすぎていませんか?人手が足りない時こそ、その場しのぎのレクではなく、目的を持ち、効果が出せ、目の前のご利用者の価値観に沿った活動を行いましょう。
【福岡・大阪会場】
・レクやアクティビティに取り組む前に必要なこと
・パーソナルシートを使ってご利用者を知り、情報を整理する
・グルーピングとリスクマネジメント
・身体機能だけでなく相性、役割分担を考えたグルーピング
・事故のリスク、他者トラブルのリスクを低減し承認しあえるグルーピング
・効果を出すための工夫(効果の可視化と数値化できるレク・アクティビティ)
・机上・座位、個人・集団、下肢・上肢…組み合わせを変えたレク・アクティビティ
・組み合わせやパターンを考えてレク・アクティビティをクリエイト!ほか
【東京会場】
・人にゆとりのない現場・フロアでスタッフに負担なく効果的に提供できる「課題」「機能別」の自立支援のリハレクの工夫と実践
・通所サービス対象者の「疾患別」「介護度別」「ニーズ別」の機能向上の課題
・「脳血管疾患」「骨関節疾患」「心疾患」「糖尿病・高血圧・腎疾患」「認知症疾患」
・個別通所計画・機能向上計画・リハ計画の表現のコツ
・体を動かすための基礎知識、解剖学や運動学!利用者編の説明力を高めよう
・認知症の作業療法から学ぼう!アセスメントとプログラム・効果的なアクティビティケア
【A会場】分科会(3) [福岡] 8月24日(土)11:30~13:00 /[東京] 9月7日(土)11:30~13:00 /[大阪] 9月14日(土)11:30~13:00
要支援者向け 生活機能向上につながるケアレクADL・IADLを向上させるプログラムを中心として
講師:寺井 達也氏(高齢期リハケア研究会 代表/作業療法士)
【内容】
ご利用者の生活を充実させるためには、ADL・IADLの向上には利用者が意欲的に取り組めるプログラムを考えるのもケアの1つです。生活の中にレク感覚で継続してもらうためのリハビリケアの視点を学びましょう。
・ケア・レクの実践
・作業療法士が考えた新しい視点のケア・レク
・生活の中のレクリエーションを分析してみよう
・ケア、レクを生活へ、その具体的テクニック
・レクリエーションのシミュレーション
・地域とつながる活動、参加アプローチの一例をやってみよう!ほか
【B会場】分科会(4) [福岡] 8月24日(土)11:30~13:00 /[東京] 9月7日(土)11:30~13:00 /[大阪] 9月14日(土)11:30~13:00
楽しく取り組める! 歩行・バランス・生活行為向上に必要な機能を向上させる自己トレーニング、集団リハビリ、リハビリテーションレクの実践
[福岡・大阪]講師: 野田 和美氏(NPO法人日本介護福祉教育研修機構 認定講師/理学療法士)
[東京]講師: 浅野 有子氏(一般社団法人あっとほーむいなしき 代表理事/デイサービス太陽と鳩たち 機能訓練指導員/生活相談員)
【内容】
レクやアクティビティにはご利用者の眠っている潜在能力を呼び起こしたり、新たな一面を発掘したりできる素晴らしいツールです。レクやアクティビティのバリエーションやパターン、ルールや方法をクリエイトすることで、ご利用者の小さな変化を成果として出せ、ご利用者とともに喜びあえる機能向上レクをお伝えいたします。
【福岡・大阪会場】
・リスクばかりを恐れるな!転倒リスクを伴うバランス訓練をレクに盛り込むためには
・バランススケールを用いた傾向と対策
・歩行能力ごとのレク・アクティビティの提供
・「独歩」「杖」「歩行器」使用など歩行能力によってステップアップ
・歩行に必要な要素と効果を高めるポイント
・歩行のどの部分が苦手なのかを見極め、レク・アクティビティに盛り込む
・安全に配慮した環境設定
・レク・アクティビティ中に転倒、ヒヤリハットしないための環境の工夫ほか
【東京会場】
・本人が主体的に取り組み効果を上げる練習
・上肢、下肢体幹可動性、筋力、バランス、歩行、心肺機能強化など
・生活に直結する機能練習
・横歩き、後ろ歩き、腸腰筋トレーニング、段差へのアプローチ、またぎ越しなど
・楽しく本人が取り組める練習のコツ
・足指練習、ステップダンス、パーキンソン練習など
・認知機能強化のリハレク、感覚運動練習、認知練習、記憶の賦活、生き生きアドレナリンなど
・その他、参加者の皆さまが希望する機能強化へのヒント
【A会場】分科会(5) [福岡] 8月24日(土)14:00~15:30 /[東京] 9月7日(土)14:00~15:30 /[大阪] 9月14日(土)14:00~15:30
認知症の方が継続して取り組むことができるレク・アクティビティ
[福岡]講師: 香月 真氏(特別養護老人ホームなごみの里 リハビリ課主任/Roren 主宰/作業療法士)
[東京・大阪]講師: 直井 誠氏(和が家カンパニーズ株式会社 代表/介護福祉士/介護支援専門員)
【内容】
レクリエーション=ゲームやカラオケ、集団での制作活動になっていませんか?また、職員主導によるレクリエーションやアクティビティの提供で、気が付けば頑張っているのは職員ばかり…そんな状況に陥っていませんか?日々の活動の中で頭を悩ます「レクの時間」。私たちが支援したいことや見たい景色は、ご利用者が主体的に活き活きと活動される姿ではないでしょうか?ハレの日のエンタメ的なレクも必要ですが、大切なのはケともいえる日々の生活を支援していくレクやアクティビティ。レクリエーションの選定、実施にあたっての注意点や工夫、観察すべきポイント、アクティビティから社会参加へと繋げる取り組みを実践とともにお伝えします。
【福岡会場】
・ナラティブアプローチと活動の選定
・主体性を引き出す関わり方
・高齢者の心理状態と特性を活かす方法
・趣味活動を社会と繋ぐ
・地域アセスメントや集団アセスメント
・社会参加の実践事例と考え方
・社会参加のハブとなる事業所運営
【東京・大阪会場】
・和が家グループでの認知症の方向けの生活リハビリについて
・和が家グループの認知症ケアと地域づくりの考え方
・生活リハビリと社会参加をする上での考え方と実践について
・具体的な生活リハビリや社会参加事例を画像と動画で解説
・料理、畑、掃除、日誌、バザー、学校や地域との協働作業、お店、ボランティア 等々
・どうやったら自社施設で導入できるかを考える
【A会場】分科会(6) [福岡] 8月24日(土)14:00~15:30 /[東京] 9月7日(土)14:00~15:30 /[大阪] 9月14日(土)14:00~15:30
口腔機能改善・栄養改善につながるレク
[福岡・大阪]講師: 末藤 浩平氏(株式会社奏恵詩 代表/管理栄養士)
[東京]講師: 武井 圭佑氏(管理栄養士/栄養経営士)
【内容】
介護現場での口腔機能向上や栄養改善について、大事なことは分かってはいるけど、どんなことから取り組めば良いのか分からない方のために、口腔・栄養の基本的な内容からレクリエーションの中で落とし込める事例や、レクをきっかけに事業所・施設としてどのような発信をしてご利用者の行動変容を促せるかをお伝えいたします。一緒に考え、意見を交わしながらともに学びましょう!!
【福岡・大阪会場】
・口腔機能向上と栄養改善の重要性
・口腔と全身の健康状態との関連性
・口腔機能低下と栄養不良のリスクと影響
・高齢者における適切な口腔ケアと栄養摂取の意義・必要性
・レクリエーション活動が栄養改善と口腔機能向上に与える効果
・実践的なアプローチの提案と現場への展開とアイデア共有
・口腔、栄養に関する介護現場でのレクリエーション活動の展開方法
・参加者とのアイデア共有の時間など
【東京会場】
・高齢者の「食」「栄養」に関する困りごと解決として管理栄養士の働き方を知る
・栄養ケアマネジメントだけではない!!管理栄養士と介護現場のレクリエーションの関わり
・重度者対応や看取り期でも口腔・栄養をケアレクに落とし込める
・栄養ケアの重要性
・高齢者の誤嚥性肺炎と摂食・嚥下
・デイで実施するレク(パタカラ体操、舌圧訓練、唾液腺マッサージ)を摂食・嚥下リハビリプログラムに変える
・料理療法の良さと五感を使った食事時間のレクリエーション展開
【参加者交流】[福岡] 8月24日(土)15:40~16:30 /[東京] 9月7日(土)15:40~16:30 /[大阪] 9月14日(土)15:40~16:30
[しゃべり場(参加自由)] 楽しさ+自立・自律・重度化防止=生きがいづくり
日頃の現場実践で経験していることや研修で学んだことを自分の言葉で人に発信することや人の言葉を収集することで、より理解が深まります。この「しゃべり場」では参加者と講師がしゃべり、情報交換することで、つながり、より翌日からの現場実践に取り組みやすくなります。