ご利用者のDさんがほかのご利用者と洗濯物を畳んでいたときのことです。
最初は和気あいあいと畳んでいましたが、Dさんは次第に険しい顔になり、隣のご利用者に畳みかけのTシャツを投げ付けてしまいました。
どうしてこのようなトラブルが起きてしまったのでしょうか?
Dさんの気持ちを考えてみましょう。
ご利用者が困っていることや不安な気持ちに着目する
Dさんが最初和気あいあいと畳んでいたのはタオルでしたが、Tシャツになると険しい顔になります。
なぜ険しい顔になったのか、また、畳みかけのTシャツを投げ付けたときのDさんの気持ちに着目すると、解決のヒントが見えてきます。
「疾患」という視点
Tシャツの形をきちんと認識できずうまく畳めない
Dさんは、タオルを畳むことは問題なくできていました。
しかし、認知症の中核症状である空間認識障害が原因で、複雑な形をしているTシャツはうまく畳めなかったのかもしれません。
「人」という視点
自分だけできないことに不安や焦りを感じる
周りの人は問題なく畳めているのに、Dさんは自分だけうまくできない不安や焦りから、ほかのご利用者に八つ当たりする(洗濯物を投げ付ける)という行動につながってしまったのかもしれません。
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