2022年11月28日(月)に「第103回介護保険部会」が開催されましたので、月刊デイ編集長であり日本通所ケア研究会会長の立場から私感を交え報告します。
今回の介護保険部会のテーマは「全世代型社会保障構築会議について(報告)」と「給付と負担について」でした。
議論のテーマは「給付と負担について」で以下の7つについて2巡目の議論となりました。
【1】被保険者範囲・受給権者範囲
【2】補足給付に関する給付の在り方
【3】多床室の室料負担
【4】ケアマネジメントに関する給付の在り方
【5】軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方
【6】「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準
【7】高所得者の1号保険料の負担の在り方
ケアマネジメントに関する給付の利用者負担や要介護1.2の総合事業への移行、多床室の室料負担については、多くの意見が出ましたが、2巡目の議論ということもあり、目新しい意見はあまり出ませんでした。
月刊デイ編集長/日本通所ケア研究会会長:妹尾弘幸の雑感
■ケアマネジメントに関する給付の利用者自己負担導入見送り
ケアマネジメントに関する給付の利用者負担は、副座長が「今回での採用は難しいので無理だと思います」と言及したので、2024年の介護保険制度改正・介護報酬改定での導入はなさそうです。
論点は以前と同様で、
「利用控えに繋がり逆に悪化してしまう」
「公平中立性が損なわれる」
「入院支援などケアプラン作成ではない要件にも対応しており、負担を徴収するのは困難」
などの意見が出ました。
上記意見は、以前にも述べたようにケアマネに失礼な意見でもあります。
「利用控えに繋がり逆に悪化してしまう」は逆に言うと、自己負担があると利用してもらえない程度のサービス内容である。
「公平中立性が損なわれる」は、ケアマネは利用者負担があると公平中立、自立支援のケアプランを作れないと言っていることになります。
「入院支援などケアプラン作成ではない要件にも対応しており、負担を徴収するのは困難」については、ケアマネ協会の代表が「ケアマネは色々していて、それらが発生した時に料金を言い出すのは困難だ」と述べていました。
前回も「ケアプランや相談以外の色々な支援をしており、それらのことは今後も行っていくのですが…」と言っていましたが、私は聞いていて「危ない」と思っていました。
なぜなら、会議の場で「本来のケアマネ業務ではないことまでしていきます」と言うことは「何でもかんでもケアマネに押し付けろ」という流れになりかねません。
今でも、本来はしなくてもよい「デイ見学時にデイに連れて行ってあげる」「病院受診の手続き代行」など様々な「ボランティア活動」を行っています。
ケアマネがすることは「どこからどこまでかを明確にすること」にするのであれば、それを報酬に反映させていく働きかけが必要ではないかと思います。
【情報提供元】
第103回社会保障審議会介護保険部会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29318.html
デイの管理者&リーダー「だよりね」
【学ぶ】
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