2022年12月19日(月)に「第105回介護保険部会」が開催されましたので、月刊デイ編集長であり日本通所ケア研究会会長の立場から私感を交え報告します。
今回が今年度制度改革に関する介護保険部会の締めの会合となり、「介護保険制度の見直しに関する意見書」が、一部、座長一任のもと決定しました。
内容は以下の通りです。
【Ⅰ】地域包括ケアシステムの深化・推進
(1)生活を支える介護サービス等の基盤の整備
(2)様々な生活上の困難を支え合う地域共生社会の実現
(3)保険者機能の強化
【Ⅱ】介護現場の生産性向上の推進、制度の持続可能性の確保
(1)介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進
1)総合的な介護人材確保対策
2)生産性向上により、負担が軽減され働きやすい介護現場の実現
(2)給付と負担
1)高齢者の負担能力に応じた負担の見直し
2)制度間の公平性や均等性を踏まえた給付内容の見直し
3)被保険者・受給者範囲
上記内容に従って、ポイントをピックアップしました。
【Ⅰ-1】介護サービス等の基盤整備
(1)新しい複合サービス「訪問通所介護」の創設
(2)看護小規模多機能型居宅介護の地域外居住者のサービス利用の手続き簡素化
(3)介護支援専門員更新研修の費用の値下げ
(4)居宅介護支援事業所もLIFE推進、ケアプラン作成にAI活用
(5)福祉用具貸与・販売種目の見直し
(6)リハビリテーションは地域支援事業と保険給付からの提供体制構築を促進
(7)特別養護老人ホームでの医療提供の検討
(8)特別養護老人ホーム特例入所の緩和の検討
(9)介護情報の利活用推進、医療・介護全般にわたる全国的な情報プラットフォームの構築
(10)LIFEの「個別フィードバック」の内容改善
【Ⅰ-2】地域共生社会の実現
(1)総合事業の充実化
(2)生活支援や介護予防を行うNPO等の整備事業参加要件の設定
(3)認知症支援チームの機能・役割の明確化
(4)介護予防支援の指定対象を居宅介護支援事業所へ拡大
(5)総合相談支援業務についても居宅介護支援事業所等をブランチ・サブセンターとして活用
【Ⅱ-1】人材確保・生産性向上
(1)テクノロジーを活用した老人ホーム等の人員基準の緩和
(2)介護助手の役割・業務の明確化、活用促進、制度上の位置付け
(3)管理者の常勤専従要件の見直し
(4)財務諸表等の自治体への報告、財務状況の公表
(5)一人当たりの賃金公表
【Ⅱ-2】給付と負担
(1)保険料負担増(保険料設定の9段階は10段階へ、高所得者の負担額アップ)
(2)2割負担の対象拡大範囲は夏までに結論
(3)多床室の室料負担は夏までに結論
(4)ケアマネジメントの自己負担は令和9年度までに結論
(5)軽度者の生活援助等の総合事業への移行は令和9年度までに結論
月刊デイ編集長/日本通所ケア研究会会長:妹尾弘幸の雑感
ケアマネジメントへの一部自己負担が先延ばしとなりましたが、次回改定時(2027年)には結論を得るということが明記されました。
次回改定の議論の目玉となるでしょう。
個人的には、自己負担導入の効果は大きいので、他の介護サービスは全て自己負担が導入されていることなどから、自己負担が導入されるのではないかと感じています。
ケアマネ団体としては、どのような形で導入させるか(例:定額か定率かなど)の戦術が求められるでしょう。
【情報提供元】
第105回社会保障審議会介護保険部会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29652.html
デイの管理者&リーダー「だよりね」
【学ぶ】
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