2022年8月25日（木）に、第96回介護保険部会が開催されましたので月刊デイ編集長であり日本通所ケア研究会会長の立場から私感を交え報告します。
今回の介護保険部会のテーマは「地域包括ケアの更なる深化・推進（1）」で、具体的な検討項目は以下の通りです。
【1】在宅サービスの基盤整備
【2】在宅医療・介護連携
【3】施設サービスの基盤整備
【4】施設入所者に対する医療提供
【5】ケアマネジメントの質の向上
【6】科学的介護の推進
【7】地域における高齢者リハビリテーションの推進
【8】住まいと生活の一体的支援
基盤整備では、整備以前に人材確保が困難ということで、介護福祉士の受験費用への助成やICT・ロボット導入促進への支援、医療・介護分野以外の人材・業者活用、介護福祉士のモチベーションの維持・向上のシステムづくりなど多くの意見が出ました。
在宅サービスの基盤整備では、小規模多機能、定期巡回などの整備促進の意見が多く見られ、生活圏域に平均的に整備することや定員規模を拡大すること、看護小規模多機能で地域密着型サービスと居宅サービスを選択できるようにして、他自治体住民の利用を可能にするなどの意見が出ました。
施設サービスの基盤整備では、特養の要介護度の入所基準緩和、都市部と地方の連携、地域密着特養の推進、ユニット型推進と低所得者支援や人材不足への配慮、特養・老健・介護医療院・病院などの施設間連携などの意見が出されました。
医療介護連携では、特に特養での医療提供について、配置医師の活用、診療報酬と介護報酬の区割りの明確化、専門外医療と夜間医療への対策、看護職の配置基準の充実化等の意見が出ました。
ケアマネジメントの質の向上では、ケアマネ研修の見直しについては賛成意見が多く見られましたが、その費用にばらつきが大きいこと、費用負担を軽減してほしいなどの要望が出されました。
また、事業所閉鎖の増加など、ケアマネの担い手不足が進んでおり、処遇改善加算の対象拡大など、ケアマネに対する処遇改善を求める意見も複数の委員から出ました。
リハビリテーションについては、適切な効果指標の開発や短時間デイケアと長時間デイケアの報酬の区分け、訪問看護ステーションのあるべき姿の推進などが出ました。
会議の終わりに部会長から「他の領域に開かれた地域包括ケアシステムの視点から、議論を深めてほしい」との要望が出ました。
【情報提供元】
第96回社会保障審議会介護保険部会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27365.html
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