介護労働安定センターが7月10日に最新の「介護労働実態調査」の結果を公表しました。
■人材の確保・定着の状況
→依然として人材不足感が強いが離職率は低下傾向にある
・事業所全体の従業員の「過不足感」は、不足と感じている回答を合計すると64.7%になっている。
・より深刻な不足感を意味する「大いに不足」と「不足」の合計も34.0%となっている。
・職種別では、特に「訪問介護員」において約8割に達している。
・訪問介護員、介護職員を合わせた2職種の採用率は、2021年度を底に2年連続で対前年度比増となった(2023年度は16.9%)
・2023年度の離職率は13.1%
■採用と職場定着を促進する要因
→労働者及び離職率が低下傾向にある事業所にとって、「職場の人間関係改善」が職場定着の最大の要因となっている
(採用が上手くいっている理由)
【1】職場の人間関係がよいこと(62.7%)
【2】残業が少ない、有給休暇をとりやすい、シフトがきつくないこと(57.3%)
【3】仕事と家庭(育児・介護)の両立の支援を充実させていること(47.9%)
【4】仕事の魅力ややりがいがあること(38.3%)
【5】事業所・施設の設備・環境が働きやすいこと(33.4%)
(現在の事業所に勤め始めた理由)
・通勤が便利だから(50.3%)
・仕事の魅力ややりがいがあるため(32.6%)
・職場の人間関係がよいため(31.4%)
■労働者の就業実態と仕事に対する意識
→「仕事の内容・やりがい」に関する満足度が高い
・就業環境について、近年の有給休暇の取得率は毎年上昇(2023年度は53.7%)
・仕事の内容ややりがい、職場の人間関係・コミュニケーションなどの満足度は高い反面、賃金の満足度は低くなっている
・前の職場で介護の仕事を辞めた理由としては、「職場の人間関係に問題があったため」が34.3%で最も多く、対前年度より6.8ポイント増加している。
・辞めた具体的な理由としては、「上司の思いやりのない言動、きつい指導、パワハラなどがあった」が約半数(49.3%)を占め、「同僚の言動(きつい言い方・悪口・嫌み・嫌がらせなど)でストレスがあった」(38.8%)、「上司の管理能力が低い、業務指示が不明確、リーダーシップがなく信頼できなかった」が上位であった。
【情報提供元】
介護労働安定センター
https://www.kaigo-center.or.jp/report/jittai/