【事例】
介護職員Sさん(女性)は、昨年暮れからデイサービスセンターTに採用され、勤務していましたが、「施設が自分には合っていない」と退職の申し出がありました。
(就業規則では退職を申し出る場合、2週間以上前に申し出ることという規定がありますが、Sさんからは3週間前に申し出がありました)
その際、Sさんから「解雇により退職したことにしてほしい」との申し出がありました。
失業等給付(基本手当)の受給資格を得るには、通常、雇用保険の被保険者期間は 12ヶ月以上(離職以前2年間)必要ですが、Sさんの勤務期間は8ヶ月で自己都合退職では基本手当が受給できません。
ただし、解雇の場合は雇用保険の被保険者期間が6ヶ月(離職以前1年間)以上あれば受給資格を得ることができるとのことでした。
法人としてSさんの求めに応じて良いのでしょうか。
<結論>
明らかに違法です。法人として応じてはいけません。
使用者が労働者を解雇する場合は、労働基準法等にルールがあります。
(厚生労働省リーフレット「解雇や雇止めに関するルールについて」参照)
労働者から退職をする場合は、労働基準法等には規定はなく、民法(民法627条労働者から退職を申し出る場合は原則2週間前)または就業規則の定めによることになります。
<解雇と退職における規定の違い>
使用者が労働者を解雇する場合…労働基準法等にルールがある
労働者から退職をする場合…労働基準法等には規定はなく、民法または就業規則の定めによる
このケースの場合、Sさんは就業規則に従い、適正に退職の申し出をし、使用者側である事業所も退職を了承しているため、退職に関しては労働基準法上の問題はありません。
ただし、厚生労働省リーフレットで、失業給付申請の際に、「事業主の方が離職理由について虚偽の記載を行った場合、不正受給金の返還・納付命令、詐欺罪等として刑罰に処せられる場合があります」と記載されています。
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