アルツハイマー型認知症の政吉さんは、施設に飾ってある観葉植物の葉をつまんで食べてしまいます。
政吉さんのBPSDは、食べられないものを食べてしまう「異食」であることが分かります。
では、政吉さんの認知機能障害は何でしょうか?
施設では、テーブルの上に観葉植物を飾っています。
昼食後、テーブルでお茶を飲んでいた政吉さんの目に、たまたま観葉植物の落ち葉がとまりました。
政吉さんは「これは何だろう?」と考えます。
この時、自分の記憶に尋ねるわけですが、記憶障害のために知っているはずの観葉植物を忘れてしまっていました。
それでも政吉さんは、「緑色の葉っぱだなぁ~。何だろう?」と一生懸命考え、「サラダのレタスが落ちたんだな」と思いました。
目では見えているのに、レタスだと誤って認識したこの状態が、「失認」と呼ばれる認知機能障害です。
そして、たとえ観葉植物のことを忘れていても、物の食べ方は覚えているので、鼻ではなく口に運ぶことができるのです。
このことから、政吉さんのBPSD(異食)は、「記憶障害」と「失認」という認知機能障害により引き起こされた症状だと言えます。
「それなら観葉植物をすべて施設からなくしてしまえばいい」と考えるのはとても残念なことです。
大切なのは、「テーブルの上に落ちた葉っぱはすぐに拾う」というスタッフの気遣いです。
【情報提供元】
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