認知症のあるAさんは、脱衣所までは誘導できても、服を脱ぐことにかなり抵抗されます。
入浴できないことも多いため、スタッフは困っています。
Aさんは、なぜ服を脱ぐことを嫌がるのでしょうか?
Aさんに寄り添って考えてみましょう。
なぜ?を考えて寄り添う
「どうして服を脱ぐことを嫌がるのか」
●認知症でない人の記憶
言われたことを覚え、覚えた状態を保ち、たとえ忘れたとしても思い出すことができる。
●認知症の人の記憶
しばらく経った記憶や今しがたの記憶を保つことが苦手になるため、「続きの生活」が送りにくい。
認知症により記憶や理解が続かなくなってしまったAさんが脱衣を嫌がる理由として、次の3つが考えられます。
・今日は「入浴がある」ことを記憶できなかった
・今から「入浴する」ことを理解できなかった
・入浴前の「脱衣所」という場所の認識ができなかった
声掛けで寄り添う
「心を揺さぶる言葉をプラスする」
記憶に残りやすくするためには、行動と心の揺さぶりを合わせたメッセージで伝えましょう。
具体的には「お風呂(行動)」+「気持ちいい・美しい(心の揺さぶり)」を合わせることです。
感情を伴う言葉は頭に届きやすく、記憶に残りやすくなります。
ご本人にとって「これから何をするのか?」「何が起こるのか?」を推測するヒントにもなります。
(例)
「今日は入ると美人になるという特別な温泉ですよ!」
「ご家族が新しいシャツを準備してくれたそうですね。あちら(脱衣所)で着替えて格好良くなりましょう!」
どんな言葉や話題が響くかは人それぞれ。
ご利用者ごとの成功例をスタッフ間で情報共有するとよいですね。
現場ではこんな方法も…
・「体の状態をチェックしますね」「背中の皮膚を見せてください」など、声かけ方法を変えて対応しています。
・一度だけでなく、いろんな言い回しで、今日はお風呂の日であること、もうすぐお風呂に行くこと、今からお風呂に入ることを伝えると安心されます。
・服を入れたかごを用意し、その横に空のかごを置き、「ここで服を脱いでください」と張り紙をしています。
・先に浴室の中を見てもらい、お風呂を認識してから脱衣するようにしています。
【情報提供元】
月刊デイ
【学ぶ】
■実践!認知症ケア研修会2023
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■【オンライン配信】2024年介護報酬改定の影響と対応
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