タクティールケアとはマッサージではなく、触れるだけ
タクティールケアは、スウェーデンで誕生した、両手で優しく、ゆっくりと背中や手足に触れるケアです。
不安やストレスを和らげるケアとして保健・医療・福祉の分野で幅広く活用されています。
「タクティール」は、ラテン語の「タクティリス(taktilis)」に由来する言葉で「触れる」という意味です。
タクティールケアは、その言葉が示すように、術者の手で優しく包み込むように“触れる”ケアで、「押す」「揉む」のではありません。
また、タクティールケアは単なる療法ではなく、肌と肌との触れ合いによるコミュニケーション方法の1つでもあります。人に出会い、あいさつをしながらケアを行うことで、言語による会話を行うのと同じように、気持ちを通わせることができるのです。
例えば、「はじめまして、○○(名前)です。よろしくお願いします」というごく普通のあいさつを理解することが難しくなった認知症の人に対して、タクティールケアを施すことで、触れあった手を通して言葉にせずとも親しみを込めた気持ちを伝えることができます。
“手”を通して感じ、伝えるタクティールケア
タクティールケアには、特別な道具は必要ありません。
必要なのはあなたの“手”です。
日常生活において無意識に使っている手は、「熱い・冷たい」「柔らかい・硬い」など、さまざまな感覚を受け取り、同時に相手へさまざまな感覚を伝えるものでもあります。
介護をする際にアセスメントはとても重要ですが、認知症の人は言葉で伝えることが難しい場合があります。
その際に“手”が情報収集のツールとして役立ちます。
それと同時に、“手”は認知症の人のニーズを満たす役割も担っています。
「情報収集のツールとしての“手”」とは?
赤ちゃんが泣いています。
あなたならどうしますか?
きっと「どうしたの?」と声を掛けながら、赤ちゃんの額や身体に触れ、「痛いところはないか」「皮膚に異常はないか」「熱はないか」など、いろいろな状態を手で触って確かめることでしょう。
その手は赤ちゃんからの「情報」を受け取ると同時に、赤ちゃんに「安心」を与えます。さらに、あなたにとっても「安心」を与えてくれるはずです。
手で触れるということによって互いの心身にさまざまなことを伝え合うことができるのです。
誰にでもできるタクティールケア
以下の目的に合わせて決められた手法を実践することで、誰でもタクティールケアを行うことができます。
タクティールケアを学ぶ人々の中には家族介護者もいます。
タクティールケアの目的を理解・共感した上で実践し、安心感や穏やかな時間を実感されています。
<タクティールケアの目的>
・安心感や穏やかな時間を実感・共有し、信頼関係を築く
・自分の手、足、背中などの身体認識を高める
・懐かしい思い出や、よい感情を思い出す手助けをする
・自らやってみようとする力を引き出す
【情報提供元】
認知症ケア各種療法
https://dayshop.biz/item/detail/2174.html
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