人員不足だからこそ、業務改善や職員間の連携が構築される!
私自身、老健で人員不足を経験しました。
通所定員80名、入所定員88名に対しPT・OT は3人で、午前は通所・午後は入所というシフトで実施していました。
この頃は、一人ひとりの利用者の状態を把握し、「生活」に介入することはできていませんでした。
これまでの制度改定においても身体機能訓練だけでは加算要件を満たさないと指摘され、また現在は活動・参加を中心に介入し、多職種が協働することが求められています。
私自身は、この人員不足の時期があったからこそ、さまざまな工夫や業務改善、多職種協働で行うシステム(職員間の連携)が構築されたと感じています。
【Q】1人当たりの担当人数が多いため、利用者の状態把握が追い付きません。一人ひとりに細かい評価やケアを行うにはどうしたらいいでしょうか?
(通所リハ OT 8年目 女性)
【A】聞き取れる真のニーズを職員で情報共有し、体制を構築する
人員不足を私が経験した際、「介護老人保健施設の理念と役割」を読み返しました。
理念には、「包括的ケアサービスには、チームで支援すること」などが明記されており、利用者のすべてのケアを療法士だけで、懸命に実施しようとしていたことに気づきました。
その時から、多職種とコミュニケーションを多く持つように意識すると、さまざまな気づきがありました。
例えば、入所施設では、利用者の状態把握は、24時間体制で勤務している看護職・介護職が最も早期にできています。
また、通所施設では、勤務年数の長い職員が、カルテでは読み取れない情報を持ち、利用者との絶対的な信頼関係の構築がなされていました。
利用者の真のニーズは、セラピストだけが聞き取るものではありません。
利用者にとって最も信頼できる職員から聞き取ればいいのです。
それを職員間で情報共有し、セラピストは、生活再建できる段階的なプログラムの立案と実施できる体制を構築していきましょう。
そうすれば、人員が少なくても、日々変わる利用者の状態把握に沿って適切なリハビリは必ず提供できます。
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