DSM-IV(アメリカ精神医学会で定義している精神疾患の分類と診断の統計マニュアル)では、「アルツハイマー型認知症の定義」として以下のように記されています。
【1】記憶障害
【2】次のうち、1つ以上の症状が見られる
「失語」「失認」「失行」「実行機能障害」
【3】【1】【2】の障害により、仕事・社会活動・人間関係が損なわれる
【4】意識が清明である
【5】病歴や検査から脳の器質性変化がある
私たちの生活は記憶を頼りにしていますが、アルツハイマー型認知症の人の主症状は、その「記憶」が障害されます。
そして、この定義の中で注目してほしいのが、【1】と【2】に明記されている「記憶障害」「失語」「失認」「失行」「実行機能障害」です。
これらを総称して、認知機能障害と言います。
認知機能障害とは、認知症になると出現する症状のことで、中核症状と表現されることもあります。
認知機能障害(中核症状)
■失語
→名前が出てこない。「あれ」「それ」などの曖昧な表現になる
■失認
→目では見えているのに、それが何か分からない
■失行
→手や足は動くのに、どうするのか、どうすればいいのか分からない
■実行機能障害
→物事の手順が分からない
目の前にペットボトル入りのお茶があるとします。
認識できているのに「お茶」という名前が出てこないのは失語、見えているのに「お茶」だと分からないのは失認、麻痺などもなく自由に指先が動くにもかかわらず、お茶のキャップを開けられないのは「失行」。
自動販売機でお茶を買うとき、お金を入れた後、商品のボタンを押していないのに取り出し口を探してしまうような場合は「実行機能障害」です。
ここで知っておいてもらいたいのは、記憶障害は必ず出現するのに、「失語」「失認」「失行」「実行機能障害」は、1つの症状だけが出る人、2~4つなど複数の症状が出る人など、一人ひとり状態が異なるということです。
【情報提供】
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渡辺 哲弘 氏
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