私たちは、通所系サービスを中心に介護・看護に携わる方のワンランク上のスキルアップをお手伝いいたします

snsやYouTubeでも情報配信中
facebook
twitter
insta
youtube
メール会員登録

ケガをしたときの受診判断は?

2025.06.16

「ひどいケガをしているのに、なぜ病院へ連れて行ってくれなかったの?」と憤る家族

利用者Eさん(88歳女性、要介護3)は、認知症はなく、週1回デイサービスを利用しています。
ある日の昼食後、Eさんはトイレで転倒しそうになり、手すりに左目の下をぶつけてしまいました。
介護職員がケガの状態を看護師に見せましたが、Eさんは「痛みはないし、大げさにしないで」と言います。
看護師はしばらく様子を見ることにして、家族に連絡を入れました。帰宅送迎の時間となり、看護師が再度Eさんの顔を見ると、頬骨の辺りが少し腫れていましたが、そのまま送迎しました。
ところが午後5時ごろ、Eさんの娘さんからデイサービスに電話があり、「ひどいケガなのになぜ病院へ連れて行ってくれなかったの?」と憤慨しています。
詳しく様子を聞くと、左目の周りが殴られたように内出血しており、頬もひどく腫れていて、Eさんは「ズキズキ痛む」と言っているようです。
看護師は、「頬骨は軽度の打撲でも腫脹(腫れ)が出やすい部位ですから、心配ありません。左目の周りの赤い痕は打撲のショックでできる内出血で、これもすぐに消えます」と説明しました。
しかし、娘さんは「すぐに病院に行きます。ケガをしているのに放置するのは虐待よ」と言い、看護師の対応について事業所にクレームを入れました。


なぜ娘さんは憤慨したのか?

なぜEさんの娘さんは、Eさんの様子を見て憤慨したのでしょうか?
主な理由は2つ考えられます。


[1]昼間の電話連絡で聞いた事故状況から想像したケガの程度と、実際の様子が全く違ったことに驚いたから

[2]娘さんは「ひどいケガだ」と感じたのに、看護師の説明が冷淡に感じたから


看護師の対応は間違っていたのか?

おそらく、看護師の判断も説明も医療的には正しかったのでしょう。
しかし、医療的に正しい判断や説明をしても、必ずしも家族の共感や賛同を得られるとは限りません。
家族は医療の専門家ではなく、ケガの見た目や印象で判断することが多いからです。
そのため、看護師が「医療的には軽微なケガで受診の必要はない」と考えても、家族が不安を感じれば、受診の判断を巡ってトラブルにつながることがあるのです。


■看護師の対応

・医療的に正しい判断や説明をした

(家族の反応)医療の専門家ではないため、ケガの見た目や印象で判断した

・軽微なケガであり、受診は不要と考えた

(家族の反応)軽微なケガだと感じなかった


この事例で火に油を注いだのは、家族に対する看護師の説明の姿勢です。
まるで、「こんな小さなケガで大騒ぎする方がおかしい」と言わんばかりに、医療的な判断だけを一方的に淡々と述べています。
せめて、少しでも家族の立場になって気遣う言葉をかけていれば、印象も違ったはずです。
理屈は関係なく、ケガの様子から感情的になり、うろたえてしまう家族もいます。


【情報提供元】

月刊デイ

https://daybook.jp/day.html

学べる研修一覧

見学会
デイ運営強化
ケアレク
認知症のケア
川畑・玉置
片麻痺
山下ほか
入退院支援
リハビリケア専門士養成講座
計画書
リハ技術
指導監査
リハテクニック
全国巡回
【オンライン】環境づくり
【オンライン】リハビリ90講座
セミナー動画配信
ページトップ ▲