現在のデイサービス・デイケアにおける地域拠点活動の現状を調査結果などから確認し、取り組みの方向性を探ってみましょう。
地域と連携して活動をしている事業所は 約6割!
実施している地域貢献活動や地域参加活動の取り組みに関するアンケートでは、「特に実施している取組はない」もしくは「無回答」を選んだ事業所の割合は約35%で、約6割以上の事業所が何らかの地域連携活動を行っていることが分かります。
6割の事業所が行っている取り組みで特に多いのが以下の3つです。
【1位】事業所でのボランティア活動機会の提供
【2位】事業所の催し物への地域住民の招待と交流
【3位】地域の自治会や町内会の活動への積極的参加
(参照)
「通所介護の平成30年度の介護報酬改定等の検証に関する調査研究事業報告書」三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
法人別(社会福祉法人/医療法人/営利法人)で見ても、取り組みに大きな違いはありませんでしたが、社会福祉法人では、上記のほかに「施設のホールなどの地域住民への開放、無料貸し出し」にも取り組んでいるという結果が分かりました。
ご利用者の社会参加活動を行っている事業所は 約8割!
社会参加活動の実施状況の調査では、社会参加活動に「取り組んでいない」もしくは「無回答」が約12%で、約8割以上の事業所が何らかの社会参加活動を行っていることが分かります。
具体的に実施している取り組みは以下の通りです。
【1位】事業所内での利用者同士の交流やコミュニケーション支援
【2位】事業所内での利用者同士の役割づくり
【3位】事業所が開催した各種催しに来場した地域の人たちと利用者が交流
(参照)
「通所介護の平成30年度の介護報酬改定等の検証に関する調査研究事業報告書」三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
事業所の規模ごとに見ると、地域密着型では「地域の催しに参加する」、大規模では「事業所が主体となって社会参加活動を行う」ことが多い傾向にあるようです。
<地域密着型>
→地域の自治会・町内会や各種催し事への出席・参加支援
<大規模(Ⅰ)>
→事業所内での利用者同士の役割づくり
→事業所内で利用者が作った作品や農作物を展示・販売
<大規模(Ⅱ)>
→事業所が開催した各種催しに来場した地域の人たちと利用者が交流
→事業所内で利用者が作った作品や農作物を展示・販売
(参照)
「通所介護の平成30年度の介護報酬改定等の検証に関する調査研究事業報告書」三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
社会参加活動をすることで、転倒や認知症、うつのリスクが低い傾向に!
厚生労働省は社会参加活動の割合が高い地域ほど、転倒や認知症、うつのリスクが低い傾向がみられると発表しています。
(平成27年「地域づくりによる介護予防の推進」より)
また、社会参加活動に取り組んだ成果についての調査結果では「参加した利用者が、役割の達成感や満足感を得ていきいきしてきた」「利用者の家族の評価や満足感が高まってきた」という回答が多く、社会参加活動を行うことで高齢者にとって良い効果があることが分かります。
今後考えられること
介護事業所には「高齢者が住み慣れた地域で最後まで自分らしい暮らしを続けることができるように支える役割」があります。
今回の改定はそれをより推進するために「地域連携」が強化されました。今回は努力義務として追加されましたが、今後、ご利用者の生活を地域の住民と支えていくために、さらに重要な要素となっていくことが考えられます。
【情報提供元】
月刊デイ
【学ぶ】
■【会場参加+オンライン参加】第19回日本通所ケア研究大会(合同開催)第16回認知症ケア研修会in福山
https://meeting.tsuusho.com/conference/
■デイで働く機能訓練指導員のためのリハビリ・機能訓練スキルアップオンライン講座
https://www.tsuusho.com/lp_functionaltraining
■新年度制度改定対応!令和3年特別!デイの基準と指導・監査対応
https://tsuusho.com/limited_edition/
■新報酬対応! 令和3年度からの通所介護計画書・個別機能訓練計画書などの書類総合セミナー
https://tsuusho.com/limited_edition/
■デイ加算算定のための評価・書類・記録・プログラム
https://tsuusho.com/limited_edition/
■新入浴介助加算の書類・プログラム総合
https://tsuusho.com/limited_edition/