「施設収支減少」「他産業賃金高騰」「物価上昇」
2022年度は、新型コロナ、ウクライナ侵攻、円安などにより経済状況が激変した1年となりました。
【1】デイの収支悪化
(1)倒産件数過去最高
2022年の老人福祉・介護事業倒産件数は143件と過去最高を記録、中でも通所は前年の17件から69件へと4倍増となっています。
これには、倒産以外の縮小、廃業などは含まれていませんので、実際にはこの何倍ものデイが、閉鎖しています。
(2)収支悪化の要因
■利用控え
新型コロナによる利用控え・感染者発生による休業で、デイの収支は大きく悪化しました。
特に感染者が発生したデイは大きな影響を受けます。
あるデイでは、新型コロナ感染者の発生が複数回起こり、そのたびに翌日+α日数の休業を余儀なくされ、膨大な減収となっている事業所があります。
例えば、月~金が営業のデイだと52週×5で年間260日程度営業日がありますが、4日間の休業を4回すると16日となり6%以上の減収となります。
同時にデイの利用控えで、100人来ていた利用者が95人になれば更に5%の減収が加わります。
(3)経営調査の結果について
■独立行政法人福祉医療機構(WAM)も厚生労働省の調査も「大変な事業所」の経営状態は反映されていない
WAMの令和3年度決算の調査では、赤字割合46.5%(5ヶ年調査継続事業所に限ると49%)と約半数が赤字でした。
この対象は、WAMが融資をしている事業者なので、WAMの融資制度を知っており、かつWAMから融資を受けられる優良事業者に限定された結果となります。
厚生労働省の調査でも有効回収率は45.2%と半分以下ですが、この結果は「人手が足りない非常に忙しい毎日の中で、あの膨大な質問に答えることに余裕がある事業者」のみを対象とした結果となります。
本当に大変な事業所では、調査票は、見ただけでゴミ箱行きになっているでしょう。
介護給付費分科会でも意見として出ましたが、税務調査による書類の活用などが必要と思われます。
【情報提供元】
だよりね
【学ぶ】
■実践!認知症ケア研修会2023
■デイの基準と運営指導・監査対応セミナー
■【オンライン配信】2024年介護報酬改定の影響と対応
https://tsuusho.com/special_ondemand
■デイの管理者養成講座&運営改善講座
■介護制度と報酬改定への対策&デイサービス見学会
https://www.tsuusho.com/ds_tour
■デイ運営特別セミナー
https://www.tsuusho.com/special
■【オンライン講座】PEAPに基づくご利用者を取り巻く施設環境づくり
https://tsuusho.com/lp_creating_an_environment