ADLのリハビリ・自立支援ケアの支援に際し、実用性・安全性の見極めや事故・トラブルを防ぐ視点は重要です。
介護者のペースと都合で介助した方が、事故は少ないかと思われますし、介助する家族も「全介助の方が楽だ」と言われる場合もあります。
しかし、身体拘束の問題と同様、本人の自由や意思・尊厳が軽視されると、安全に見えても本人には心理的なあつれきが生じ、さらに大きな事故やBPSDの引き金となることもあります。
介護の負担の多くは介護方法・手順やペースが拙いことによるため、効果的なリハビリプログラムやより良い支援(介護)の方法を示すことが大切です。
「2ヶ月後には〇〇が一人でできることを目指しましょう」
と、具体的な短期目標と期間を示し、一緒に自立に向けたチャレンジを支援することが家族のサポートにもなります。
リハビリ専門職は、生活行為のどこが、なぜ困難なのか分析し、それらの阻害要因を解決する具体的な練習や工夫を示しましょう。
周囲のスタッフや家族も一つのチームとして支援をします。
経過を記載したアセスメントチャートを適宜示し、修正をしながらチームで進めていきます。
ADLのリハビリ支援には、見当識、記憶、失行、失認などの認知遂行機能評価が重要です。
どの時間帯に、どこで、どんな状況で行うのか、その行為遂行上の困難はどこにあるのか、日によってのパフォーマンスの変動、危険性(リスク)と改善の可能性(ニーズ)を見立て、チームで協働します。
元々のやり方を大きく変えることは認知症の人に大きな混乱を生じさせてしまうので、注意が必要です。
ADLは基本的な起居移動能力がベースとなるため、身体機能をきちんと評価します。
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