生活行為向上のリハビリには、リハビリテーション実施計画書(リハビリテーションマネジメント)の策定が基本となります。
厚生労働省が示した標準書式を使用する場合もありますが、病院・施設・事業所ごとにさらに分かりやすく、協働しやすく工夫する場合も増えています。
リハビリプログラムは、「基礎・基本練習」「応用練習」「社会適応練習」から成り立っていて、基礎・基本練習は身体機能や認知機能に直接働き掛ける賦活練習であり、応用・社会適応練習はそれらの機能を総動員して行う制御された環境の中での実践練習です。
リハビリ専門職の目や手を離れても家族や地域の支援者とともに実践的に遂行できるようにします。
リハビリは誰かにやってもらうものであってはいけません。
本人と家族(生活の場の支援者)が、「できるようになりたい」「自分たちの課題を解決して望む暮らしへ向かいたい」と思い主体的に取り組む過程こそがリハビリであることをよく説明し、本人や家族と一緒に取り組む土壌を作っていくことが大切です。
そのためにも、人の欲求(渇望や熱望)と生活ニーズ(解決すべき生活の課題)をしっかり見立てることのできるリハビリ専門職が、チームには必要です。
■基礎・基本の練習
基本的心身機能の賦活・改善へ向かうための基本的練習
・関節可動性
・筋支持性
・痙性抑制
・アライメント修正
・立ち座り
・移乗
・平行棒などの基本動作練習
・歩行練習
・リーチ課題
・治療的作業
・精神科での簡易課題(注意・集中力の向上)など
■応用練習
実践場面を模し、活用した生活技能練習、一連の行為の遂行・実践
・トイレや入浴などのADL
・電動バイクの基本操作練習
・一般的調理、洗濯などのIADLの具体的取り組み練習
・書道、畑、園芸、音楽の課題など
■社会適応練習
他者とのかかわり、社会での行為の実践練習や工夫、地域支援の賦活
・自宅での調理、掃除練習
・公共交通機関の利用練習
・外出・旅行・就労など生活の拡大
・地域行事への参加拡大など
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