レクリエーションは、その活動を通して昔を懐かしむ「回想法」につなげるものや、身体を動かしたり言葉を積極的に発することによって意欲の向上を目指すなどの、意図が込められています。
レクリエーションを実践する際には、得られる効果を引き出すことを意識しつつ、本人が楽しめるアプローチを徹底することが求められます。
【レクリエーションを手段として選択する際の基本】
<1>レクリエーションを実践する「目的」と得られる「効果」を確認する
ただの時間つぶしや、目的設定がないレクリエーションは避けましょう。
例えば、ぬり絵の目的は、「集中力の持続訓練」「手指の巧緻性向上」「達成感の獲得」「自己表現の手段」「絵柄や道具を選択して使うことで脳のトレーニングをする」「今まで好きだった活動を取り戻す」など、さまざまな目的が考えられます。
まずは対象となるご利用者をしっかりアセスメントし、その人に合った方法として選択しましょう。
■ぬり絵一つにも「目的」と「効果」が必要
・「 ぬり絵は人気のレクのようだから」「職員の手が掛からないから」などの理由はご法度!
・ 塗って終わりではなく、雑誌に作品投稿をする、自施設で作品展を開くなど、フィードバックまでしっかりと設定する
<2>素材の選び方
ぬり絵の素材の選択は、効果を得るために重要です。
極端に幼稚な絵柄であったり、細かすぎる絵柄、線が細すぎて見えにくい絵柄など、本人の意欲を阻害するような素材は避けましょう。
季節感のある絵柄、本人の昔の暮らしを思い出すような絵柄、線が太くて見えやすい絵柄などを選び、気持ちよくぬり絵に取り組めるよう配慮が必要です。
また、認知症のステージやその他の疾患の状況に合わせて、単色で塗れるものを選ぶことが効果的な場合もあります。
<3>ぬり絵を実践する工夫
作業に集中できる環境設定を行い、できる限り「自分でできた」という達成感が得られる状況を作りましょう。
<4>その他の工夫
ぬり絵に限らず、作業をする際にはその人によってできることとそうでないこと、得手不得手があります。
「あの人はできているのに、自分はできなかった」という失望感や喪失感を本人に感じさせないように、細かな配慮が必要です。
また、スタッフの対応も、子ども扱いや説明を畳みかけるようなことは避けましょう。
【学ぶ】
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