2022年5月30日に第94回社会保障審議会介護保険部会が開催されました。
それを受けての雑感を妹尾弘幸が、月刊デイ編集長・日本通所ケア研究会会長として述べます。
(あくまでも雑感ですので、そのつもりでお読みください。)
【1】介護予防事業~実際の実施回数での割合は???~
住民主体のサービスは広がるのか ? 理念は良いが実際は困難では…
介護予防事業では「訪問型」「通所型」の両者でA型を実施している自治体が多く、住民主体型のB型のサービスを提供している自治体は、わずか15.0~16.7%にとどまっています。
しかし、これは実施している自治体の割合であり、実施回数の「多い」「少ない」は関係しません。
例えば、年に1回でも実施すればカウントされることになりますので、実際の実施実態を反映しているとは言い難いです。
実際の実施実態を把握するのであれば、実施回数での割合を公表するべきでしょう。
実際の回数割合だと、限りなく0%に近づくのではないでしょうか?
審議会中の意見でも出ましたが、「高齢者就業の促進」「低所得者の増加」「消費物価の上昇」「労働人口の減少」などが進む中で、互助に携われる人口の減少は容易に予測されます。
また「保育」「福祉」「自然」など様々な分野での互助活動が広がりを見せている中で、「介護予防分野」に携わる人が増加していくとは想定しにくい状態です。
上記に加えて厚生労働省は、高齢者の「介護助手」での活用を推進もしており、介護に興味を持つ人や事業所は、こちらを選ぶ可能性もあります。
今のままで、住民主体の介護予防事業が進むとは思えません。
財務省は、要介護1~2までを介護予防事業に移行し、介護給付額を減らすことを目指していますが、現状は不可能に近いでしょう。
以前、介護予防事業の単価を低く設定したため、事業を撤退する事業所が多くなり、事業そのものの運営が行き詰まったという経験があるため、各自治体は単価を低く設定することには及び腰です。
【情報提供元】
デイの管理者&リーダー「だよりね」
第94回社会保障審議会介護保険部会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25879.html
【学ぶ】
■デイの基準と指導・監査対応セミナー
https://www.tsuusho.com/standardr