令和6年度介護報酬改定に対応のポイント
[1]令和3年度介護報酬改定事項(経過措置)の再確認
令和3年度の報酬改定において、BCP計画の策定や、感染症まん延防止のための措置等が基準に追加されました。
経過措置期間は令和6年3月31日までであったため、4月1日以降に未対応の場合、基準違反となり、減算になる可能性があります。
改めて改定事項の適応状況の確認をしましょう。
[2]改定後の加算の要件を確認
今まで算定できていた加算であっても、今回の改定で算定要件が厳しくなり、要件を満たさなくなってしまう可能性があります。
そのまま引き続き算定し続けてしまった場合、加算分の介護報酬について全額返還となってしまうため、改めて要件の確認をしましょう。
[3]運営基準違反に該当しないか確認
加算だけでなく、そもそもの基準が改定されているものがあります。
基準が改定されていることを見落とし、令和3年改定時の基準で運営していると、運営基準違反になってしまう可能性があります。
必ず厚生労働省の資料を確認し、改定後の基準に適合するよう運営方法の見直しを行ってください。
猶予措置が令和6年3月末で切れた運営基準改定項目[サービス共通]
【1】業務継続計画(BCP)の策定(経過措置期間の終了)
BCP計画を策定していない場合、施設・居住系サービスは所定単位数の100分の3、その他サービスは100分の1に相当する単位数の減算が適用されます。
また、策定するだけでなく、研修の実施や訓練を定期的に実施する必要があります。
※業務継続計画の周知、研修、訓練及び定期的な業務継続計画の見直しの有無は、業務継続計画実策定減算の算定要件ではない。
※令和7年3月31日までの間、感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には減算を適用しない。
【2】高齢者虐待を防止するための措置 (経過措置期間の終了)
虐待の発生又はその再発を防止するための措置が講じられていない場合、所定単位数の100分の1に相当する単位数の減算が適用されます。
具体的には、
・虐待の防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催し、結果について従業者に周知徹底を図る
・虐待防止のための指針を整備する
・従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施する
・上記措置を適切に開催実施するための担当者を置く
以上の措置が1つでも講じられていない場合、減算となりますので、注意が必要です。
※計画・指針を策定するだけでは基準を満たしません
【3】感染症の予防及びまん延の防止のための措置(経過措置期間の終了)
感染症の予防及びまん延を防止するための措置として
・感染症の予防及びまん延防止のための対策を検討する委員会をおおむね6か月に1回以上開催し、結果について従業者に周知徹底を図る
・感染症の予防及びまん延防止のための指針を整備する
・従業者に対し、感染症の予防及びまん延防止のための研修及び訓練を定期的に実施する
以上の措置が講じられていない場合、運営基準違反となりますので、注意が必要です。
また、計画・指針を作成するだけでは基準を満たしませんので、御注意ください。
【4】認知症介護基礎研修の受講(経過措置期間の終了)
介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有さない者(無資格者)について、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じる必要があります。
経過措置以降に採用した従業者については、採用後1年間の猶予期間を設け、1年を経過するまでに認知症介護基礎研修を受講させる必要があります。
研修を受講させていない場合、運営基準違反となります。
また、無資格者を人員として配置していた場合、人員基準違反となり、大きな減算となる可能性もありますので、注意が必要です。
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