内閣府の「規制改革推進会議」の答申案の内容が判明しました。
70余りの改革案には、介護施設の人員基準の緩和案などが含まれています。
(1)在宅医療での点滴の薬剤の補填・交換、褥瘡への薬剤塗布を薬剤師も可能にする
(2)介護施設の人員基準を1:3から一定の基準を満たす場合は1:4へ緩和
(3)介護事業者の手続きの簡素化
日本通所ケア研究会 会長:妹尾弘幸の雑感
報酬単価は、その業務にかかわる人件費などから算出されています。
人員基準が下がれば当然報酬単価の削減が求められてくるでしょう。
直接的に下げることは業界の反発を招くので、いくつかの加算を本体に移行したのち、単位調整がなされるのではないかと思われます。
自立支援の促進、栄養・口腔関連などが候補に挙がりそうです。
ICT化によって事務作業量が1割程度減ったという報告も見られますが、全体の業務に対する事務作業量は一定数に限られ、最低基準の職員割合で運営している現場も限られています。
職員数の削減で、介護は「バイタル」「排泄」「食事(栄養補給)」の管理化がより進むと思われます。
決まった時間に(それもすごい早い時間から)起こし、リビングに移動させ、食事を摂らせ、ベッドに寝かせる…という日ばかりが続く業界になったとしたら、介護に魅力を感じる人はいるのでしようか?
また、ご利用者の機能低下は早まることでしょう。
合わせてこの会議では、「通所介護での医療行為の明確化」も議題に上がっています。
「通所介護の看護師が実施できる範囲以上のことを求められている現状に対して、通所介護が医療ニーズの受け皿として機能するように環境整備を行うことが必要」という提案に対して、厚生労働省は「看護小規模多機能や療養型通所介護、通所介護と訪問介護の組み合わせで対応している」「通所介護では日常的な医療ニーズに対応しており、必要に応じて看護職員の加配や外部医療機関との連携なども可能」と答えています。
質問の意図を理解しながら、意図的に避けているとしか思えない回答ですが、実際には「インシュリン注射」「褥瘡の手当」「経管栄養」「点滴」「摘便」など様々な要求がなされることが多く、実施に関する明確な法的支援や加算要件もなく、実施してもその材料費もなど支払われない現状があり、現場は混乱困惑しています。
訪問看護や療養型通所介護・看護小規模多機能がある地域、利用できるご利用者は限られており、デイサービスの活用が今後は必要と思われます。
【情報提供元】
規制改革推進に関する答申
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_index.html
【学ぶ】
■デイの基準と指導・監査対応セミナー
https://www.tsuusho.com/standardr