本人、家族が望む「生活を改善する」という視点を持つ!
家族のリハビリへのニードが高いのは、いくつか理由があると思います。
そしてその理由に対して直接向き合えば、方向性は見えてきます。
家族は、「少しでも利用者本人または家族の生活が良くなって欲しい」という想いや苦労、さまざまな不安を持っておられます。
その不安や苦労に対して寄り添い、「機能制限の回復」のみに目を向けず、その利用者本人または家族が望む「生活を改善する」という視点を持って接すれば、必ず良い方向に向かっていくと思います。
[質問]
本人の能力と家族のニードがあまりにかけ離れている場合、そのことを家族に説明しても納得してもらえず、家族の望まれる結果が出せず満足してもらえないことがあります。
どうすれば分かっていただけるのでしょうか?
[回答]
現状をしっかり説明し、専門的視点を持って家族と一緒に課題を克服する
例えば、本人がいきなり脳梗塞になり、急に麻痺などの機能障害によって、ADLが低下したことをまだ家族が飲み込めていないケースを考えてみましょう。
まず、病気がもたらす後遺症とその回復の程度、特に「ここまでが回復の限界になりそうだ」ということを医師からしっかりと説明してもらう必要があります。
また、リハビリ場面に家族の同席をお願いし、リハビリの現状と「障害のため、どうしてもできないこと」「将来制限となるであろう機能」の説明をしていく必要があります。
これらの説明を受けることで、家族も少しずつ現状を飲み込めてきます。
障害受容には時間がかかりますが、「ここまでは回復してもらいたい」という家族のニードを踏まえて、「では、こうすればその機能制限を補えます」といった専門的な視点に立った具体的提案をしていきます。
医療スタッフと家族とが「共に」目標を設定し、「一緒に」課題を克服することが望ましいでしょう。
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