最近、ご利用者のGさんは口腔ケアを嫌がることが増えてきました。
利用開始当初は「歯磨きをしてくださいね」と職員が声を掛けると取り組んでくれていましたが、現在は声かけをしても行おうとせず、職員が介助のために口を開けてもらおうとすると全力で拒否することもあります。
どうしてGさんは歯磨きを拒否するようになったのでしょうか?
Gさんの本当の気持ちを考えてみましょう。
歯磨きを拒む理由に着目する
以前は職員の声かけで歯磨きをしていたことに、着目してみましょう。
拒否の本当の理由は、“歯磨きをしたくないから” ではないかもしれません。
認知症の進行に伴う症状を理解することで、解決のヒントが見えてきます。
「疾患」という視点
「歯磨き」という言葉の意味や行為が分からなくなった
中核症状の失語により、「歯磨き」という言葉の意味が理解できなくなったのかもしれません。
また、中核症状の失行により、「歯を磨く」という行為が分からなくなったのかもしれません。
「人」という視点
何をすればいいか分からないので取り組めない
歯磨きのやり方が分からなくなり、取り組めないのかもしれません。
虫歯や口内炎など、口腔内に痛みがあり拒否している可能性もあります。
まずはご家族に歯科検診を提案し、必要に応じて治療してもらいましょう。
ご利用者の習慣を生かし、理解できるよう工夫する
職員の声かけの意味や自分が何をすればよいのかが分からず、歯磨きを拒否しているGさんの気持ちに寄り添い、理解しやすい方法で伝えるよう工夫しましょう。
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