口腔機能向上ケアを始める前に
口腔機能は、食べることやコミュニケーションにかかわる重要な役割を果たしています。
おいしい食事を味わったり親しい人との会話を楽しむことは人生において大きな楽しみの一つですが、摂食・嚥下の機能が衰えることで低栄養を招いたり、
口腔構音機能の低下により発語・発声などが困難になることもあります。
豊かで充実した生活を送るために、口腔機能向上のためのケアは必要です。
口腔ケアの目的と分類
口は「食べる、話す」などの重要な役割を担う器官であり、口の健康は全身の健康につながっています。
老化や病気の後遺症などで口腔の機能が損なわれると、嚥下や誤嚥性肺炎などのリスクが高まるだけでなく、食べたり話したりする行為が困難となり、生きる喜びを失ってしまいます。
口腔ケアを行うことで、摂食機能の維持・向上、虫歯・歯周病の予防、誤嚥性肺炎の予防、唾液分泌の促進、発語・発声によるコミュニケーション機能の維持・向上など、さまざまな効果が見込めます。
口腔ケアは、口腔内の歯や粘膜、舌などの汚れを取り除く「口腔清掃(器質的口腔ケア)」と、口腔機能の維持・向上を目的とした訓練を行う「口腔機能訓練(機能的口腔ケア)」に分けられており、この2つを組み合わせることでケアの効果がさらに高まります。
ご利用者の状態に合わせて、口腔機能向上のケアと訓練を行いましょう。
口腔ケアの大切さを伝え、自立に向けた訓練
口腔ケアを行う際は、できることは自分でやってもらうという視点が大切です。
虫歯や歯周病、口臭予防のためには、デイ利用中だけでなく、日常的な口腔ケアが欠かせません。
介助は必要最小限にし、ご利用者のレベルに合わせた適切な指導や訓練を行い、自宅でもケアができるように取り組みましょう。
令和3年度の介護報酬改定では「自立支援・重度化防止の推進」の対策の一つとして口腔ケアや栄養ケアの取り組みが掲げられ、口腔機能向上、栄養改善の取り組みは「健康寿命の延伸やQOLの向上を図るうえで重要」として新たな加算が創設されました。
介護サービスの目的である自立支援を実現するためにも、すべての訓練を「口腔機能向上」「栄養改善」「運動」の三位一体で考える必要があるでしょう。
口腔機能向上加算
・口腔機能向上加算(Ⅰ) 150単位/月2回まで
・口腔機能向上加算(Ⅱ) 160単位/月2回まで
※人員配置は、言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員(看護師または准看護師)を1名以上配置(非常勤および兼務可)
※歯磨きや口腔内の洗浄のほか、歯周病や虫歯などの口腔トラブルの予防、誤嚥性肺炎を防ぐための摂食・嚥下リハなどのアプローチを行う
【学ぶ】
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■令和3年特別!デイの基準と指導・監査対応セミナー
■新報酬対応!令和3年度からの通所介護計画書・個別機能訓練計画書などの書類総合セミナー
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■【会場参加+オンライン参加のハイブリッド開催】新たなデイの運営基準に沿った環境づくりから地域への参加セミナー
https://tsuusho.com/social_participation_activities
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■デイで働く機能訓練指導員のためのリハビリ・機能訓練スキルアップオンライン講座
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■デイ加算算定のための評価・書類・記録・プログラム
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■新入浴介助加算の書類・プログラム総合
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■令和3年デイ運営
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■認知症の転倒予防プログラム
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■認知症のひとへの生活行為向上リハ・楽しみと脳トレの活動の工夫
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■口腔・嚥下訓練と口腔ケア
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■シーティング
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