認知症にはアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症などがあり、それぞれ症状が異なるため、各認知症の種別を考慮しケアをする必要があります。
(1)アルツハイマー型認知症
記憶障害、見当識障害、取り繕い反応、被害妄想、感情障害(うつ→多幸)、言語障害
(2)脳血管性認知症
多発性梗塞性認知症、脳出血性血管性認知症、多発性ラクナ梗塞認知症、進行性皮質下血管性認知症(ビンスワンガー病)、低灌流性血管性認知症などがあり、それぞれの障害部位によって発生する症状もさまざま
(3)レビー小体型認知症
認知機能の変動、幻視、誤認、妄想、パーキンソニズムによる歩行障害、日中の眠気
(4)前頭側頭葉変性症
常同行動(常同的周遊、時刻表的生活、常同的食行動異常など)、脱抑制(周囲の迷惑を顧みず自分がしたいことをする)。
・前頭側頭型認知症(前頭型ピック病など)
・進行性非流ちょう性失語
・意味性認知症【側頭型ピック病など】
(5)その他
65歳以上の方での発症率は、アルツハイマー型認知症 3%、脳血管性認知症 3%、レビー小体型認知症 1%、前頭側頭葉変性症 1%です。
(この他の数値を示す研究もあります)
【アルツハイマー型認知症】
疫学:女性に多い
発症:緩やか
進展:スロープ状進行
全経過:10年(2〜20年)
記憶障害:初めから出現
運動障害:重度時出現
精神徴候:物取られ妄想(軽度期から女性に多い)
その他:感情、運動は重度となるまで保たれる
【脳血管性認知症】
疫学:男性に多い
発症:比較的急
進展:発作ごとに階段状進行
全経過:アルツハイマー型認知症より長い
記憶障害:比較的軽度
運動障害:精神症状と同時または先行して出現
精神徴候:意欲低下、せん妄
その他:局所神経症状(片麻痺、構音・嚥下障害など)
【レビー小体型認知症】
疫学:60歳前後男性に多い
発症:緩やか
進展:進行性、動揺性
全経過:アルツハイマー型認知症より短い(7年)
記憶障害:初期は比較的軽度
運動障害:パーキンソン症状、体幹傾斜・転倒
精神徴候:リアルな幻視、失神、意識の動揺
その他:向精神薬への過敏性
【前頭側頭葉変性症(ピック病)】
疫学:50歳前後性差無し
発症:やや急
進展:緩徐進行性
全経過:アルツハイマー型認知症より短い(7年)
記憶障害:初期は目立たない
運動障害:常同行動・滞続言語
精神徴候:性格変化、反社会的行動
その他:自制力低下、特徴的な対人的態度
【情報提供元】
デイの管理者&リーダー「だよりね」
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