2020年度からの「同一賃金、同一労働」の施行に伴い、正職員の手当を削減、廃止する企業が増加している。
これに伴い、不利益な変更をされたとの訴訟が発生している。
労働契約法第9条では、労使合意のない不利益変更を原則禁じており、10条の判断要件を満たし、合理性があれば合意なしでも変更可能としている。
10条の要件は以下の6つとなっている。
(1)変更後の就業規則の周知
(2)労働者が受ける不利益の程度
(3)労働条件変更の必要性
(4)変更後の就業規則の相当性
(5)労働組合等との交渉状況
(6)その他の事情
会長:妹尾弘幸の雑感
同一労働同一賃金の制度は、正職員と非正職員(パート、有期雇用等)との不合理な待遇を禁じるもので、中小企業は2021年4月1日より施行となっています。
その対象範囲は、単に給与だけでなく、各種手当、賞与、退職金、食堂・休憩室の利用などの福利厚生などにまで及びます。
そのため、正職員のみに支給していた扶養手当や住居手当等を廃止する企業も増加していて、それが不利益変更に当たるということで、正職員が法人を訴える訴訟も発生しています。
介護分野では、パート職員が多いため、今後正職員とパートの待遇差に対する問題も増加してくると予測されますので、早めの対策が必要です。
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