ADL・IADLと言っても、食事、入浴、排泄など多くの項目があります。
まずは、何を「目的」にするかです。
せっかく機能維持・向上を目指すなら、しっかりとした目的を定める必要があります。
例えば、トイレ動作向上を目標に定めたとします。
トイレ動作を行うためには、
(1)立ち上がりができるか
(2)立った姿勢を保てるか
(3)ズボンを下ろすときにバランスを崩さないか
という3つが主に考えられます。
普段の活動(プログラム)の中にこの3つをすべて盛り込めるに越したことはないですが、この中のポイントから1つ取り入れるくらいの気持ちでいいと思います。
「1回でも多く立ち上がり動作をしてもらう」「1秒でも長く立った姿勢を維持してもらう」など、簡単な目標でいいので、その日の目標を持って取り組んでいただきたいです。
また、効果を上げるために必要なことは3つあります。
(1)目的が明確であること
(2)同じ運動レベルの利用者でグループを作ること
(3)道具をうまく使うこと
です。
小集団を作る際、何のためにその運動をするのかという目的意識がバラバラでは、参加者も何となくでしか参加できません。
転倒予防のための筋力強化なのか、服を楽々着られるようになるための柔軟体操なのかなど、目的をくどいくらいに毎回説明してください。
また、グループのメンバーの能力に差がありすぎると、リスク回避のために、できないことが多い方の運動強度に合わせがちなので、できる人たちにとっては運動効果が現れにくくなります。
参加者の運動レベルをできるだけそろえるようにしましょう。
さらに、道具を使うことも重要です。
道具があれば、負荷の強度も個々に設定できますし、どの程度の負荷がかかっているのか外からも判断しやすくなります。
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