ご利用者のIさんは、以前は食事作りやレクに積極的に参加し、活動を楽しんでいました。
しかし、最近は職員が「みんなでお好み焼きを作りませんか?」「一緒に風船バレーをしましょう」などと誘っても、「私はいいわ」と断ることが増えてきました。
以前はさまざまなことに興味を持ち、楽しそうに参加していました
どうしてIさんは、さまざまな活動への参加を断るようになったのでしょうか?
Iさんの本当の気持ちを考えてみましょう。
「参加したい」と思わなくなった理由に着目する
Iさんは認知症が進行し、意欲が低下したように見えます。
しかし、以前は積極的に参加して楽しんでいたことに着目すると、解決のヒントが見えてきます。
「疾患」という視点
言葉の意味が分からない
中核症状の失語により、「お好み焼き」や「風船バレー」などの言葉の意味が分からないのかもしれません。
また、レビー小体型認知症の場合、中核症状の日内変動(一日の中で調子に波があり、良くなったり悪くなったりすること)による意識レベルの低下で理解力が低下し、意欲が低くなっているのかもしれません。
「人」という視点
何をするか分からないので取り組みにくい
どんなことをするのか分からないことに誘われて、不安に感じているのかもしれません。
寝不足や便秘、脱水、ほかの病気などによる体の不調や薬が原因で、意欲低下につながることもあります。
まずは体調などを確認しましょう。
ご利用者が理解しやすい方法で、タイミングを計って伝える
何か分からないことに誘われ、不安を感じているIさんの気持ちに寄り添いましょう。
意欲を持って参加してもらえるよう、伝え方や声かけのタイミングを工夫することが大切です。
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