私たちは、通所系サービスを中心に介護・看護に携わる方のワンランク上のスキルアップをお手伝いいたします

snsやYouTubeでも情報配信中
facebook
twitter
insta
youtube
メール会員登録

抑うつ

2024.07.02

[質問]

リハビリやレクリエーションなどいろいろな活動に誘うのですが、「できないよ。私は何にもできないから…」などと言って消極的なご利用者とのコミュニケーションに困っています。

「うつ」傾向のある方でどのように対処してよいのか分かりません。


[回答]

「防衛機制の先取り」・「メタモデル」という2つの視点を持つ


高齢者で「うつ」傾向があり、活動に消極的な方にかかわるときのポイントは、2つの視点を持つことです。


「防衛機制の先取り」

うつ傾向のある方など、何かに挑戦する前から、消極的になる方がいます。

これを「防衛機制の先取り」と三好春樹さんは著書で言っています。

防衛機制というのは、心理学の言葉です。

「すっぱい葡萄」の話が有名です。

キツネが高いところにあるブドウを食べようとするけれど、背が届かなくて食べられません。

そのときキツネは「ふん、あれはどうせ酸っぱいブドウなんだから、食べられなくてもいいや」と負け惜しみを言います。

失敗しても自分が傷つかないように、自分に言い聞かせたのです。

このように、まだ挑戦する前から、自分が失敗することを想定して、「私はできないから…」「全然ダメだから…」というのが「防衛機制の先取り」です。

最初から「私は全然ダメだから…」と失敗しても大丈夫なように言い訳をしておけば、レクリエーションに誘われたり、リハビリをしたりして、たとえうまくいかないことがあったとしても、「だからダメだって言ってたでしょ。私のせいじゃないもの。あなたが無理やり誘ったからこうなったのよ」と自分自身で納得できます。

失敗しても大丈夫な言い訳を先にしておくことによって、自分の心理的安定を保っているのです。

このような傾向のある方にかかわるコツとしては、とにかく相手は失敗を恐れていますから、失敗しないような課題を出すということが大切です。

少しでも「うまくいかなかった」と思わせてしまうと、ますます落ち込んでしまい、さらに消極的になってしまいます。


「メタモデル」

メタモデルというのはNLP という心理学の言葉で、相手の気づきを促すような質問のことを言います。

この考え方では、この方のように「もう何にもできないよ」と話すとき、ある事実を「一般化」しているとみます。

「一般化」というのは、例外や可能性を考慮せず、一般的なものとすることをいいます。

物事を一般化してしまうのは、うつ病の方や落ち込みやすい方の特徴的な思考法で、「白黒思考」や「0-100 思考」などとも言われます。

できないと思うと何もかもできないと思ってしまい、「ちょっとはできている」とか「これはできていないけれど、ここまではできた」というようなグレーなところ、0 と100 の間がないのです。


□「一般化」を表す言葉

・何にも・全然・全く・みんな・誰も


□使い方の例

「私は何にもできないよ」「全然体が動かない」「全くできない」「みんな私を嫌っている」「誰も助けてくれない」


このように、例外や可能性を考慮していないご利用者には、その考えを広げさせ、可能性を広げる意図を持って質問をします。

「何にもできない」と話すご利用者には「何にも、っていうことはないでしょう? ご自分でできていることもあるのではないですか?」と、できているほかの可能性を探るような質問をするのです。

この質問は少しユーモラスにすることが大切です。

少しおどけた調子で質問することで、相手を責めず、相手に考える余裕を作ることができます。


【情報提供元】

リハージュ

https://dayshop.biz/


学べる研修一覧

本当の自立支援
A1見学会
ケアレク
計画書
介護技術
管理者・リーダーのトラブルマネジメント
リハ技術
実践!認知症ケア研修会
スタッフマネジメント
セミナー動画配信
ケアマネオンラインセミナー
【オンライン】環境づくり
【オンライン】リハビリ90講座
大会DVD

おススメのサイト一覧

ページトップ ▲