ある日、認知症のJさんがデイサービスで「財布がなくなった」と訴えました。
「昨日はあったのに今日はない。娘が盗ったに違いない」と言うJさんに、スタッフが「そんなことはないですよ。勘違いではないですか」と言うと「そう言うあんたが盗ったんだ!」と騒ぎ出してしまい、対応に困ってしまいました。
なぜ?を考えて寄り添う
「自分がなくしたのか」が不明瞭だから勘繰ってしまう
皆さんは物をどこに置いたか分からなくなったとき、どうしますか?
多くの人は、下記の(1)~(3)の順番で対応していると思います。
認知症の人たちも同じく、(1)~(3)の順番で物を捜しますが、一つ違うことは、「本当に自分がなくしたのか否か、いまひとつはっきりしない」という点でしょう。
そして「これだけ捜しても見つからないということは、誰かが持っていったのでは?」「こんなに困っているのに助けてくれないのは、あの人が盗んだからでは?」などと勘繰ってしまうのです。
認知症の初期症状では、記憶をつかさどる海馬領域の障害が起こりますが、思考力をつかさどる前頭前野領域の障害の発生は低いとされています。(前頭側頭型認知症を除く)
思考力が働くからこそ、あれこれ考えてしまい、勘繰った結果、物盗られ妄想となるのです。
(1)自分で捜す
→自分がなくしたと考え、まずは自分で捜す
(2)人に尋ねる
→周囲の人に「私の財布を知らない?」などと尋ね、情報収集する
(3)協力を依頼する
→周囲の人に困っていることを伝え、一緒に捜してもらうなど協力を依頼する
対応で寄り添う
不安の軽減につながる8つの対応
[1]捜し物をしているサインを見逃さない
[2]捜し物をしているのかを尋ねてみる
[3]捜し物への不安を共感する
[4]一緒に捜す/協力方法を伝える
[5]捜していた目的や理由を質問する
[6]ねぎらう/褒める/感謝
[7]見つからない場合は別の提案をする
[8]感情記憶に残す(発見の有無は問わない)
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