生活は、さまざまな行為・活動からなります。
私たちは生活の中のどの行為・活動の支援に注力したらよいのでしょうか。
一般的に生活は、「基礎生活」「社会生活」「自由生活」の3つに分類できます。
基礎生活とは、トイレに行く、お風呂に入る、食事をする、寝るなど、いわゆるADLなどの時間です。
社会生活とは、働く、学校に行くなどの時間です。
特に義務的要素の強い仕事・学業を意味しています。
したがって、趣味の講座に参加する、知的好奇心を満たすために退職後に再び大学に通うなどは自由生活に含みます。
自由生活とは、友だちとおしゃべりをする、趣味活動をする、おいしいものを食べに行く、好きなボランティア活動をするなどの時間です。
自由生活の「生きがい、喜び、楽しみ」を支援する
生活を支援するのが介護の役割ですが、私たちは3つの生活のうち、どの生活を最も大切なものとして考え、どの生活の支援に注力したら良いでしょうか?
基礎生活に含まれるトイレに行く、お風呂に入るなどは生活する上で大切な行為ですが、私たちはトイレに行くためやお風呂に入るために生きているわけではありません。
私たちは、自分らしく楽しく豊かな生活をするために生きています。
したがって介護は自由生活の自立支援にもっと注力すべきであり、介護の目標も単なるADLの自立支援から脱却し、自由生活の自立支援を目標とするべきでしょう。
具体的な目標例としては、以下のような内容になります。
【支援する目標例】
・2ヶ月後に、以前自分の料理店で開いていた「〇〇食堂」を1日だけ再開し、常連の10名に来てもらう。
・3ヶ月後に、パソコンを使って好きなときに旧友たちとテレビ電話ができるようになる。
・4ヶ月後に、月に2~3回一人で野球場にプロ野球観戦に行けるようになる。
・半年後の5月15日に、杖歩行で公共交通機関を使って長男家族と一緒に箱根温泉へ2泊3日の旅行に出掛ける。
・半年後に、自作の写真集を作り、市の図書館に寄付する。同時にインターネットで販売する。
・9ヶ月後に、車イスにて自宅の庭のガーデニングができるようになる。
【情報提供元】