さまざまな高次脳機能障害
今まで認知症予防活動として、さまざまなものが提案されてきました。
なぜここで「生活密着型」認知症予防を提唱するのでしょうか?
その主な理由を以下に3種類挙げます。
<生活密着型の理由>
(1)介護は生活を支援するサービスである
介護は生活を支援するサービスであり、介護の対象となる分野は生活です。
認知症予防でも、介護における認知症予防の場合、中心となる視点は生活となります。
医療であれば、注意機能、記憶機能などの機能が改善すれば目的は達成されるかもしれませんが、介護の場合はそれだけでは不十分で、生活面での改善が求められます。
(2)認知症は高次脳機能障害により生活に支障を来した疾患である
認知症の診断基準は、高次脳機能障害(記憶障害、失語・失行・失認・遂行機能障害など)により生活に支障を来している状態となっています。
このことから、認知症予防では、「高次脳機能障害の改善」及び「高次脳機能障害があっても」生活に支障を来さないようにすることの2つの考え方ができます。
(3)要素のみの訓練では他の生活行為は改善しないことが分かっている
身体を使う行為はすべて、「その行為そのものを反復練習する」必要があります。
イギリスの大規模研究で、計算やパズル、読み書きなどの要素を練習しても、実際の日常生活改善への転化は見られないことが判明しました。
毎日、漢字ドリルや計算をしても、それだけでは日常生活の改善には直結しないのです。
例えば、「筋力トレーニング」や「関節可動域訓練」といった要素訓練のみを何百回実施しても、サッカーや野球は上達しません。
サッカーや野球の上達には、サッカーや野球そのものを練習する必要があります。
認知症の場合も、個別の要素だけでは実際の行為・活動は上手になりません。
要素訓練にプラスして、実際の行為・活動を訓練しなければいけないのです。
改善したい行為を正常に遂行する上で必要な要素を分析し、その要素を訓練した後で実際の行為を訓練する必要があります。
その際、実際の行為訓練は、段階的に難易度を上げていくようにするとよいでしょう。
【情報提供元】
実践 認知症ケア2
https://dayshop.biz/item/detail/2152.html
デイの管理者&リーダー「だよりね」
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