虐待は、「身体的虐待」「介護・世話の放棄・無視」「心理的虐待」「性的虐待」「経済的虐待」があり、身体的虐待にばかり目が向けられがちですが、他の虐待防止も必要です。
最近は経済的虐待の増加も報じられています。
各部署での虐待が行われていないか、早急な確認・対応が必要です。
経済的虐待は、単純にいうと「泥棒」と同じです。
当然法律で罰せられます。
【1】窃盗罪
職員が入居者の財布からお金を抜き取る、キャッシュカードから無断でお金を引き出し着服する、クレジットカードで勝手に決済をする、利用宅から物品を盗むなどは、刑法235条の窃盗罪として、「十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」に処せられます。
【2】業務上横領罪
入居者の金銭管理の責任者でもある施設長が、入居者の金銭を勝手に流用し、私用の買い物に充てた場合は、刑法253条の業務上横領罪となり、「十年以下の懲役」に処せられます。
【3】詐欺罪
職員が利用者に対し、「臨時に〇〇費を徴収することになりましたので現金で支払ってください」など嘘を言って金品を受け取った場合、刑法246条1項の詐欺罪となり「十年以下の懲役」に処せられます。
リスクマネジメントの視点
虐待・身体拘束を防ぐためには、基本的な考え方を理解することが大切です。
「本人の意思に反し、行動できなくすること」が拘束となること、たたいたり、つねったり、悪口を言ったりしなくても、利用者を無視する、必要な介護をしないことなども虐待に当たることを理解しましょう。
(1)現金での取り扱いは行わない
(2)定期的に法令遵守の勉強会を開催する
(3)利用者に貴重品、現金などは極力持参しないようにお願いする
(4)訪問介護での金品の取り扱いルールの厳格化や定期的に本部からルールを利用者に説明する
(5)ケアマネには、現金を一切扱わない旨を通知しておく
(6)現金、クレジットカードなどは目につく場所に置かないように依頼しておく
全国各地で市役所幹部、ケアマネ、ホームヘルパーなど様々な事件が今までにも発生しています。
「ケアマネジャーの男逮捕、1人暮らし認知症女性宅で窃盗容疑」2017.05.24:埼玉新聞
「生活保護費を預かり詐取、元市保健福祉部長に懲役4年」2021.09.18:読売新聞
「訪問介護先でキャッシュカード盗んだ疑い ヘルパー逮捕」2022.10.05:産経新聞
【学ぶ】
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