[1]二足直立位に近づける
必要な要素としては両下肢に体重の乗った立位をつくる、麻痺側肩甲帯の低緊張の改善が挙げられます。
二足直立位に近づけるためには、対称的な立ち上がり動作、体幹の姿勢コントロールが重要です。
[2]麻痺側足部からの床反力情報が得られるようにする
足部内在筋の活性化、姿勢筋(ヒラメ筋、前脛骨筋など)の活性化が足関節底背屈コントロールを促します。
[3]非麻痺側下肢を過剰に使った立ち上がりはしない
非麻痺側下肢を後ろに引いた立ち上がりではなく、足部を平行に接地した状態からの立ち上がりが対称的な立ち上がりにつながります。
[4]歩き始めの一歩は非麻痺側下肢を振り出す
麻痺側下肢を後ろに残すことや後方ステップ練習を行うことにより、股関節伸展、足関節背屈を促すことができます。
また、非麻痺側下肢は随意的に制御できることから、スムーズな歩き始めを実現し、その後の麻痺側下肢の効率的な振り出しが可能となります。
[5]足関節戦略を促通する
麻痺側骨盤の後退は、股関節戦略や体幹の側屈などの代償運動、股・膝関節の不安定性を助長します。
健常成人の歩行において、頸部と体幹での筋活動はわずかな姿勢変化に対して、脊柱のアライメントをニュートラルに保つためだけに働くといわれています。
このため、足関節戦略を中心とした下肢の支持機能や推進機能の促通が、必要な構成要素となります。
[6]歩くことを目標にしない
歩行練習ではなく、移動手段としての歩行へと導いていくことが重要です。
アプローチとしては、二重課題のある歩行訓練やさまざまなステップ課題などを行うことにより、周囲の環境に対し注意を向けることができ、外部環境に適応した実用的な歩行が可能となります。
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