利用者平均年齢は64.5歳…各自の得意なことを生かした活動を支援
GrASP株式会社が運営する「トポス和果」は横浜市内で唯一の若年性認知症に特化したデイサービスです。
代表の山崎さんが精神科病院の作業療法士として勤務していたとき、「行くところがない」という若年性認知症の当事者の方の声を聞いたことをきっかけに、高齢者ばかりの施設になじむことが難しい若年性認知症の方たちが安心して心地良く過ごすためには「等質性(年代や性別などが同じであること)」が重要だと考え、認知症や高次脳機能障害などで生きづらさを感じている中年層に向けたサービスを2015年6月にスタートさせました。
現在、平均年齢64.5歳のメンバー(ご利用者)が、各自の得意分野を生かしながら有償ボランティアやグループ活動に取り組んでいます。
能力や希望に合わせた3つのフェーズ
トポス和果では、メンバーの“できること”や“やりたいこと”によって3つのフェーズを定義し、それぞれグループに分かれて活動を行っています。
若年性認知症の方向けの活動は、ワークフェーズのような軽作業を行う事業所が多いですが、そのような作業が不得手になってもフェーズを移行することで通い続けられるよう、認知症の進行状態に応じたプログラムを設定しています。
各フェーズは病態・介護度・希望などから判断
トポス和果は、ケアマネジャーのほか若年性認知症支援コーディネーターからの紹介で利用される方も多く、認知症の病態や介護度、働くことを希望するかどうかなどから判断して、ワークフェーズまたはエンジョイフェーズからスタートします。
症状が進行し、指示の理解度が低下したり、作業遂行や集団での活動が難しくなってきたら、ベーシックフェーズへの移行を検討します。
フェーズの移行は業務遂行能力だけでなく、本人の希望やグループ内の人間関係なども考慮しながら行います。
いずれにしてもメンバーの長所や強みが発揮できる活動に取り組んでもらうことを大切にしています。
ワークフェーズの仕事は現在6種類
ワークフェーズでは、主に地域の企業や団体から依頼を受けた作業を有償ボランティアとして行っています。
例えば、配食サービスを行う企業からは「弁当の配達・空き容器の回収」と「弁当箱の洗浄」を引き受け、毎日2、3名がスタッフと共に参加しています。
メンバーの得意なことを考慮しながら、弁当箱を洗う人、洗ったものを並べる人などと役割分担をして、無理のない範囲で作業を行っています。
内職作業以外は、事業所外の場所に出向いて行います。
<現在行っている活動>
・おこわ作り
・弁当配達
・弁当箱の洗浄
・Amazon梱包/出荷業務
・チラシ配り
・内職作業(ピン留め作り)
【情報提供元】
月刊デイ
【学ぶ】
■実践!認知症ケア研修会2023
■デイの基準と運営指導・監査対応セミナー
■介護制度と報酬改定への対策&デイサービス見学会
https://www.tsuusho.com/ds_tour
■デイ運営特別セミナー
https://www.tsuusho.com/special
■【オンライン講座】PEAPに基づくご利用者を取り巻く施設環境づくり
https://tsuusho.com/lp_creating_an_environment