■見当識障害と認知症
見当識とは、自分がいる場所や日時などの基本的状況を把握する能力のことです。
ICF(国際生活機能分類)では、「自己、他者、時間、周囲環境との関係を知り、確かめる全般的精神機能」と説明されています。
見当識には「時の見当識」「場所の見当識」「人の見当識」があります。
■見当識障害と認知症
認知症では、記憶障害や認識力の低下などに伴い、見当識が低下します。
見当識の低下は、「見当識障害」や「失見当識」と呼ばれます。
見当識には「時の見当識」「場所の見当識」「人の見当識」があり、アルツハイマー型認知症では、この順番に障害されることが多いようです。
■見当識の評価
一般的に見当識の評価は、時・場所・人に関することを口頭で質問し、回答してもらう方法がとられます。
【質問の例】
■MMSE(Mini Mental State Examination)
MMSEは、簡便に認知機能や記憶力を測定できる認知機能検査です。
時の見当識として、「今年は何年ですか」「今の季節は何ですか」「今日は何曜日ですか」「今日は何月何日ですか」と聞き、場所の見当識として、「この病院の名前は何ですか」「ここは何県ですか」「ここは何市ですか」「ここは何階ですか」「ここは何地方ですか」と質問します。
■改訂 長谷川式簡易知能スケール
長谷川式簡易認知スケールは、認知症を診断するために、医療や福祉の分野で幅広く用いられている評価テストです。
時の見当識として、「今日は何年の何月何日ですか、何曜日ですか」という質問をします。
場所の見当識では、「私たちが今いる所はどこですか」という質問をします。
実際に利用者に実施する前に必ず、職員間で練習してください。
認知機能のテストは、机やイスの高さ、周囲の騒音などによって影響されるので、変化を見る場合は、可能な限り同じ条件で実施するようにしてください。
【情報提供元】
実践 認知症ケア2
https://dayshop.biz/item/detail/2152.html
デイの管理者&リーダー「だよりね」
【学ぶ】
■介護制度と報酬改定への対策&デイサービス見学会
https://www.tsuusho.com/ds_tour