ご利用者のヨシオさんは、ゴミ箱におしっこをしてしまいます。
これをBPSDととらえると「放尿」ですが、適応行動としてとらえてみるとどうでしょうか?
また、ヨシオさんの認知機能障害は何でしょうか?
ヨシオさんは「おしっこがしたいな~」と思いながらトイレを探していました。
この時、たまたま見たのが黒いゴミ箱だったのです。
ゴミ箱を見たヨシオさんは、「これは何だろう?」と考えます。
ところが、記憶障害が進行しているため、本当は知っているはずなのに、ゴミ箱だと分かりません。
皆さんも、仕事を終えて家に帰り、テーブルの上に見知らぬ物が置いてあったら、「これは何だろう?」と考えますよね。
みんな同じなのです。
ヨシオさんは目の前にある物を見て一生懸命考えます。
「黒くて穴が開いているぞ」そう考えたヨシオさんは、「もしかしてこれは便器かな」と、誤って認識してしまったのです。
目では見えているのに、便器だと誤って認識したこの状態が、「失認」と呼ばれる認知機能障害です。
ヨシオさんの脳の中では次なる段階がスタートしています。
今度はおしっこの仕方を考えるわけですが、幸いにも「おしっこの仕方」は覚えていました。
何もかも分からなくなるのではなく、分かることもたくさんあるということです。
だから、ズボンのファスナーを開け、おちんちんを取り出し、おしっこができているのです。
おしっこの仕方は間違っていませんが、ゴミ箱と便器の認識を誤っていたため、放尿というBPSDとして行動が表出してしまったのです。
【情報提供元】
認知症なるほど事例集
https://dayshop.biz/item/detail/2160.html
【学ぶ】
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