認識力が低下した方に対する環境設定の考え方
認知症などにより認識力が低下した方に対する環境設定の考え方には、
【1】認識力低下を補完する環境設定
【2】認識力低下を活用する環境設定
の2つがあります。
認識力低下を補完する環境設定
「認識力低下を補完する環境設定」は、
(1)低下している認識力を高める視点
(2)機能が低下していても認識しやすくする視点
(3)認識力が低下していても安全な環境をつくる視点
に分けられます。
認識力低下を補完する環境設定の3つの視点
(1)低下している認識力を高める視点
→トレーニングで認識力の向上を図ります。
(2)機能が低下していても認識しやすくする視点
→注意を引く環境や理解しやすい環境にすることで、低下した機能を補完します。
(3)認識力が低下していても安全な環境をつくる視点
→安全な環境を設定することでリスクの軽減を図ります。
認識力低下を活用する環境設定
「認識力低下を活用する環境設定」は、
(1)認識力が低下していることを利用して危険で不要な活動を引き起こさない視点
(2)認識力が低下していることを利用して有用で必要な活動を抑圧しない視点
に分けられます。
それぞれの環境設定例を参考にして、その人に適した環境を考えましょう。
認識力低下を補完する環境設定の例
■低下している認識力を高める視点
認識力低下は、意識レベルの低下や感覚機能の障害、知覚−認知機能の障害、理解力の低下などが原因となって生じるため、これらの原因を改善して認識力を高めます。
■認識力を高める工夫(例)
・水で手を洗い(触覚・温冷覚刺激)、意識レベルを上げて、認識力を高めます
・体を動かし、意識レベル・集中力を向上させて認識力を高めます(関節覚刺激)
・配膳移動などで体を動かす環境を設け、認識力を高めます(関節覚刺激ほか)
・医師・薬剤師に服薬状況をチェックしてもらい、適正服薬で、副作用を改善して認識力を高めます
・お茶や水を飲み、脱水傾向を改善して、意識レベルを高め、認識力を高めます
・落ち着いた個室で集中できる環境を整備します
・注意を喚起する標識や掲示物を貼っておきます
・認識すべき事項や注意を向けるべき事項をあらかじめ示します
・職員が、危険な場所をその都度教えます
・ストループテスト(さまざまな色で色を意味する文字を書き、文字の意味ではなく書かれている色を答える)を実施します
・歩きながらしりとりをして認知機能を向上させます
【学ぶ】
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