【この取り組みを行った目的】
回復期から通所リハビリ・訪問リハビリまで長期間1人の利用者を担当させて頂き、起居動作2人介助から交通機関の利用可能まで回復した症例について経験した。
今回は、退院後から訪問リハビリとの連携の部分を中心に報告する。
【具体的取り組み】
右被殻出血を発症し、左麻痺による下肢・体幹の筋緊張低下に加えて、左上下肢の感覚鈍麻・失調を呈した症例を回復期、通所リハビリで担当した。
退院の状態は、要介護4・FIM103点であり発症+4ヶ月であった。
サービスは通所リハビリを利用することとなった。発症+9ヶ月で、屋内移動の自立が可能となった。
その後、屋外の移動範囲拡大のため発症+12ヶ月で訪問リハビリを追加した。
通所リハビリでは、立位バランス・自主訓練指導を中心に介入し、訪問リハビリでは、自宅周辺の自宅周辺の屋外歩行訓練を中心に介入した。
【通所リハビリ利用前の状況】
退院直後の歩行動作は、ピックアップ歩行器使用しLife-Space Assessment(以下LSA)6点であり、デイケア以外で外出することはほとんどなかった。
【通所リハビリ及び訪問リハビリ利用後の変化・効果】
発症+12ヶ月で訪問開始時:歩行は独歩であり、200m歩行すると息切れ・腰痛が出現し、休憩を必要としたLSA 26点であり、家族の車で外出することが可能となってきた。
発症+22ヶ月:屋外での歩行距離は1200m連続で可能となり LSA 90点であり、外出の範囲が交通機関を使用して移動が可能となった。
【結果】
通所リハビリ及び訪問リハビリ実施により、リハビリでの移動範囲拡大とともに生活での活動量(散髪・200m程度の散歩・喫茶店など)の増加がみられた。
【考察】
通所リハビリで、自宅内動作の安全性獲得が可能となった。
そこから、早期に訪問リハビリに繋げることにより移動範囲拡大が図れたと考える。
また、通所リハビリと訪問リハビリの連携を密にとる事により訓練内容の差別化し、具体的な行動範囲の状況、その場での対応が行えることにより、外出への恐怖心の軽減することが可能になったと考える。
【情報提供元】
第20回日本通所ケア研究大会
社会医療法人慈薫会 河崎病院
http://jikunnkai.or.jp/kawasaki/index.html
【学ぶ】
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■認知症ご利用者の生活行為向上のためのリハビリアプローチ
https://tsuusho.com/livingfunction
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■デイ運営特別セミナー
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