【はじめに】
ICTの普及により高齢者もスマートフォン(以下:スマホ)を持ち連絡ツールとして活用する方が増えてきた。
しかし、現場の利用者の声からは「持っているだけ」「使い方がよくわからん」といったことをよく耳にする。
多くの方がスマホの機能を十分に利用することができていないことがわかった。
そこで今回、通所介護にてICTのひとつであるスマホを生活の中で活用でき、QOLの向上のきかっけを作る取り組み事例を実践したので報告する。
【目的】
在宅生活にてスマホを活用することができるようになればアプリでの家族間の連絡や写真カメラ撮影、友人とのメールの共有などが容易にでき生活のQOLの向上が期待でき、また家族不在時などで緊急の連絡等もよりやりやすくなるのではないかと考え「優しいスマホ講座」を開講した。
【取り組み事例】
対象者11名でそれぞれの週1回通所介護利用時に30分間の時間実施。
内容は初心者編、基本操作編、基本設定編、地図活用編の全4講座完結で開催。
QOLを測るための26の質問、高齢者のための簡便なQOLこの2つを使い講座開始前と講座開始後のアンケートを実施。
実施後期間限定でLINEで課題を提出しやりとりを数回行う。
【実施前の状況】
「スマホすら触らない」「メールなども見ない開かない」「怖くて触れない」「目が見えないから読めない」「かかってきた電話を受け取るのみ」といったネガティブな因子が多かった。
【実施後の変化と効果】
「写真を撮影し、お孫さん娘さんとアプリを通じてコミュニケーションが取れるようになった」「わからないことを調べられるようになった」「積極的にスマホを触るようになった」「ライトやブザーの場所を知り使えるようになった」「参加者同士コミュニケーションの場となりスマホの事を話すようになった」などのポジティブな因子が多くなった。
【結果・考察】
参加者11名全員が4講座全て実施することができた。
実施後ポジティブな因子が多くなったのは今までスマホに対する「難しい」という思い込みがあったが、実際に理解しながら操作し4講座に分けて実施したことが思い込みのハードルを下げて受け入れしやすくなったと考える。
今後もスマホを活用したICTでご利用者の生活をより良いものにしていけるよう通所介護でのサービスを展開していきたい。
【情報提供元】
第20回日本通所ケア研究大会
合同会社P-BEANS
トラベルwithじぇぷと
【学ぶ】
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