風呂・食事なしの通所介護は報酬削減か!?
通所介護には、基本方針にて以下のことが求められています。
「要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない。」
今までは、「機能訓練」の充実に力がいれられていましたが、今後単身世帯・老々世帯の増加や訪問介護員の激減などを考慮すると、通所介護での「日常生活上の世話」がますます重要になってくると考えられます。
現在デイで行なわれている「日常生活上の世話」として、大きな割合を占めているのは「デイへの移動」「入浴」「食事」「排泄」の支援です。
このうち、デイへの移動については「送迎加算」→「送迎減算」という形での対応となっていますが、他の行為については「入浴介助加算」はあるものの不十分です。
入浴と食事は場面については行為中の事故発生も多く(交通事故死よりも入浴中の死亡数の方が多いなど)、職員の支援量も多くなる行為です。
また感染症へのリスクも高く、職員の心身負荷が高い活動でもあります。
現状、入浴や食事提供体制に関わる費用はデイの基本報酬に含まれているという建前ですが、実際は入浴設備・調理設備が無いデイと設備があるデイの単価は一緒となっていますので、デイの基本報酬に含まれるというよりも視点になかったということです。
(入浴や食事を提供しないデイが出てくることを想定していなかったのではないでしょうか)
しかし、入浴などを提供しないデイの急増、サービス有無による利益率の大きな差、今後単独世帯増による入浴などの世話のニーズ急増などにより、「入浴・食事の世話」への対応が今以上に求められる可能性もあります。
「日常生活上の世話」「機能訓練」の2大機能の半分に対応していないデイは、デイではないとして、基本報酬半減の可能性もあります。
会長:妹尾 弘幸の個人的見解
「入浴介助」「食事介助」を提供しないデイは、別の報酬体系(従来の2/3~1/2程度の設定)となり、その差額分が実施しているデイへの基本報酬アップ、入浴介助加算アップなどに充てられるのではないでしょうか。
【学ぶ】
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