音楽を生きがいにつなげる取り組み
施設紹介:「音楽リハビリデイサービスゆらリズム」(宮城県)
宮城県仙台市にある「音楽リハビリデイサービスゆらリズム(以下、ゆらリズム)」は、2011年6月に開設したデイサービスです。
音楽活動を通じて、楽しみながらリハビリを行うだけでなく、ご利用者に趣味や生きがいを持っていただけるような取り組みを行っています。
また、同法人が運営している放課後等デイの子どもたちとの交流や、地域の方を巻き込んだ多世代交流イベントを行い、ご利用者の目的づくりや、モチベーションの向上にもつなげています。
提供しているプログラム(一例)
■演奏プログラム
「音符を使わない楽譜」を使って全員で楽しく合奏できるように工夫をしています。
■ボディーパーカッション
全身(両手、両ひざ、足、声)を使い、音楽に合わせてリズムを奏でます。
■ボイストレーニング
音楽に合わせて、「滑舌」「発声」「表情」の3つのエクササイズを行うことで、楽しく口腔機能の向上を図ります。
ご利用者のレベルに合った音楽プログラムを提供!音楽「未経験」から「趣味」になるまでの支援
趣味活動は、心身の健康に良いものとされていますが、要介護状態になって趣味活動をあきらめたり、「趣味はない」という高齢者は多くいます。
趣味を持ちQOLを高めてもらうため、ゆらリズムでは「音楽を趣味にする」支援を行っています。
ご利用者の中には音楽経験がない方もいますが、その方たちにも楽しんでいただけるように、段階を踏んでレベルアップできる仕組みをつくっています。
合奏に手拍子や鼻歌で「参加」することからはじめ、慣れてきたら楽器を使って「伴奏」→「メロディー演奏」と進み、自ら楽しんで行う「趣味」にすることを目指しています。
未経験の方でも簡単に演奏ができる工夫
【1】音楽に慣れる(いきなりメロディーを弾かない)
楽譜が読めない方でも簡単に演奏ができるように、音符を使わないオリジナルの楽譜(「色譜」と「数字譜」)を使用します。
「色」と「数字」で音を表し、それぞれレベル1~3まで用意しています。
●色譜
音楽未経験の方は「色譜」の「ド(赤)」「ファ(黄)」「ソ(青)」を使って演奏を始めます。
色譜ではアレンジ次第で、さまざまな曲がこの3音で演奏可能です。
●数字譜
色譜に慣れてきたら、ドレミの音階を数字に置き換えた「数字譜」を使います(ド(1)レ(2)ミ(3)…)。
数字譜は大正琴やハーモニカなどの演奏では一般的に使用されています。
【2】レベルにあわせて「楽器」を演奏する
楽器ごとにレベルを分け、徐々にレベルアップを目指します。
<簡単>
打楽器でリズムをとる:鈴、タンバリン、拍手など
<やや難しい>
楽器で伴奏する:ハンドベル、大正琴、ハーモニカ
<難しい>
楽器でメロディーを弾く:大正琴、ハーモニカ、キーボードなど
【3】自宅で気軽に継続できる「楽器」を考える
「一人でも自宅で楽しめるもの」「なじみのあるもの」などの条件から、ゆらリズムでは大正琴とハーモニカを推奨しています。
女性人気が高い大正琴は、所有している方もおられ、安いものなら1万円程度で購入可能です。
また、男性人気の高いハーモニカは、2千円程度から購入可能です。
【情報提供元】
月刊デイ
【学ぶ】
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https://tsuusho.com/livingfunction
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