
利用者の顔写真を加工するのは虐待か?
職員による上記の行為は、虐待に該当するのでしょうか?
厳密に言うと、虐待には該当しません。
なぜなら、高齢者虐待防止法の下の5つの定義に当てはまらないからです。
高齢者虐待の定義
身体的虐待
高齢者の身体に外傷が生じ、または生じるおそれのある暴行を加えること
介護・世話の放棄・放任
高齢者を衰弱させるような著しい減食や長時間放置すること
心理的虐待
高齢者に対する著しい暴言または拒絶的な対応など、高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと
性的虐待
高齢者にわいせつな行為をする、または高齢者にわいせつな行為をさせること
経済的虐待
高齢者の財産を不当に処分したり、高齢者から不当に財産上の利益を得ること
身体的虐待
高齢者の身体に外傷が生じ、または生じるおそれのある暴行を加えること
介護職員が利用者の人格をおとしめる行為を行っても、何の規則違反にもならないのでしょうか?
介護保険法には、次のような規定があります。
(介護保険法 第八十八条6)
指定介護老人福祉施設の開設者は、要介護者の人格を尊重するとともに、この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し、要介護者のため忠実にその職務を遂行しなければならない。
これは、介護職という職業に就く者に課された義務であり、この規定に違反すると、最悪の場合、指定取り消しなどの重い処分を受けることになります。
職員同士で写真を加工し合い、笑って面白がる行為は、「人格尊重義務違反」に該当する重大な規則違反です。
利用者の尊厳を著しく傷つけ、倫理に反する行為だからです。
このほかに、無断で利用者の容姿を撮影することも、不法行為であり、「人格尊重義務違反」に該当します。
介護職には、高いモラルと専門職としての職業倫理が求められているのです。
さらに、場合によっては「名誉毀損罪(刑法第230条)」や「侮辱罪(刑法第231条)」などに問われる可能性もあります。
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