問題行動から行動障害へ、そしてBPSDへ
BPSDとは、
Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia
の略で、「認知症の行動と心理症状」と訳されます。
BPSDには、妄想・幻覚・徘徊・焦燥などさまざまな症状があり、これらの症状は今まで「問題行動」「行動障害」と呼ばれていました。
しかし、「問題」と考えるのは介護側からの一方的な見方で、「障害」されているのは行動ではなく認知面であり、認知面の障害に起因する正当な行動(例えば、トイレの場所が分からず、我慢できなくなって廊下の片隅で排尿するなど)であることから、これらの言葉は使用されなくなりました。
一方、BPSDという表現が学会をはじめ多方面で使用されるようになり、現在では厚生労働省などの文書にも使用されています。
ただし、BPSDという言葉には、
(1)一般の人には理解できない
(2)「認知症の行動と心理症状」は長すぎる、かつ一見して何のことか分からない
などの課題もあります。
これらの課題を解決し、認知症の人のケアや対応する人に対して、「ケアや対応の思考の方向性を示す言葉」を作ることが望まれます。
BPSDは二次的な症状であり課題解決型アプローチで対応
BPSDは、認知症の直接的な症状ではありません。
認知症の直接的な症状である「記憶力低下」「注意力低下」「計画力低下」などに伴って起こる二次的なものです。
例えば、「自分のいる場所や周りにいる人が分からなくなり、そこにいることが不安になり、家に帰りたいと言う」などです。
これらの症状は人として当然の反応であり、記憶力や注意力などが低下した場合、誰にでも起こりうる現象です。
このため「誰か分かる、どこか分かる、安心できる」などの心理変化が起きたときには、これらの症状は、解消・改善されていきます。
対応方法や環境設定などによって症状が変化し、解決可能な症状なので、BPSDに対しては「課題解決型アプローチ」で対応していきます。
【情報提供元】
デイの管理者&リーダー「だよりね」
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