BPSD(行動・心理症状)とは、放尿・異食・妄想・暴言・暴力・不潔行為・うつ症状・不安・焦燥などの総称です。
周辺症状と表現されている場合もあります。
ここで、ご存知の方が多いと思われる、クリスティーン・ブライデン氏(以下、ブライデン氏)の言葉についてお話ししたいと思います。
ブライデン氏はオーストラリア人の女性で、46歳の時にアルツハイマー病と診断されました。
当時、痴呆(現、認知症)を抱える本人として世界で初めて、公の場で自らの体験を訴えました。
彼女は「私は痴呆と診断されました。私の頭の中では○○が起こっています。○○に困っています。だから皆さん、○○してください」と、自身の具体的な体験を自らの言葉で語りました。
平成15年に放送されたテレビ番組「クローズアップ現代~痴ほうの人・心の世界を語る~」の中で、彼女はこんな興味深いことを話しています。
インタビュアーの「問題行動(現、BPSD)という言葉がありますが、それは何ですか?」という問いに対し、ブライデン氏は「私はそれを適応行動と呼んでいます」と答えました。
そして、「私たちは環境に適応しようとしているのです。ところが、その環境は周りが作り出したものなのです」と続けました。
この「周り」というのは、「認知症じゃない皆さんが作り出したもの」と言う意味です。
さらにブライデン氏は、私たち介護者に求めるケアの形として以下のように話しています。
「その人の要望に沿って環境を改善する。それが私にとって理想的なケアです」と。
私たち介護者に求められている理想的なケアとは、「環境を改善する」ことです。
この言葉を念頭に置き、「環境を整えることの意義」について考えていきましょう。
環境を整えることの意義
「環境」とは何を意味するのでしょうか。
まず、空間や設備などの「物質的な環境」が考えられます。
そしてもうひとつ、「人的環境」があります。
要するに、私たち介護者も認知症の人を取り巻く環境なのです。
介護者のかかわりや声かけはすべて環境であり、「その人の要望に沿って環境を改善する」とは、物質的環境の改善はもちろん、私たち介護者に対して「かかわり方を改善してください」「声かけの仕方を改善してください」という意味も含まれているということなのです。
「声かけの仕方を改善してください」という意味も含まれているということなのです。
【情報提供元】
認知症なるほど事例集
https://dayshop.biz/item/detail/2160.html
【学ぶ】
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